海外で最新作は賛否両論に 『ジュラシック』シリーズに続編は必要なのか?
「『ジュラシック・パーク』の正統な続編」だと称された『ジュラシック・ワールド』が、『ジュラシック・ワールド/炎の王国』として7月13日に再び日本に戻ってくる。
前作の騒動から3年後を舞台にした本作は、イスラ・ヌブラル島の火山噴火の予兆を知ったオーウェン(クリス・プラット)たちが再び島を訪れ、恐竜たちの救出を試みる物語。監督は前作のコリン・トレボロウからバトンタッチし、『怪物はささやく』『永遠のこどもたち』のJ・A・バヨナが務めている。ちなみに、今回脚本と製作総指揮として携わったトレボロウは2021年に公開が予定されている『ジュラシック・ワールド3(原題)』でメガホンを取る。
アメリカなどでは6月22日から公開されているのだが、全米週末興行ランキングは封切りから2週連続でトップを記録し、すでに全世界興行収入も9億4,347万9,755ドル(約990億円)を突破。2018年の全米興行収入ランキングでは5位にランクインしている。しかし、その一方で批評は興行のような大成功を収めていないようだ。
辛口批評サイトRotten Tomatoesによれば、批評家の肯定的なレビューは全体の51%とギリギリ過半数に達したというところ。これは、同サイトで53%を記録した『ジュラシック・パーク』の続編『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』よりも低い数字となっている。また、一般のレビューも58%となっており、緑色のポップコーンが倒れたアイコンが表示されている。
『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』は、ジュラシック・パーク計画が消滅した4年後が舞台。伝説的な人気を誇る『ジュラシック・パーク』の続編だったため多くの期待がかかったが、パニックスリラー映画への路線変更や登場人物の間抜けさなどが酷評を集め、最低映画に送られるゴールデンラズベリー賞(通称:ラジー賞)の「最低リメイクor続編」部門を含む3部門にノミネートされるという散々な結果となった。
そんな失敗があったため、アメリカでは公開前から「どうして登場人物は、第1作目で描かれた悲劇から誰も学ぼうとしないのか?」とネット上で議論に。第1作目では、人間の手では操れない自然界の生命力の驚異が描かれ、「生命体は繁殖する道を探す」というイアン・マルコム博士(ジェフ・ゴールドブラム)の名言もあったが、その教訓を活かさず『ジュラシック』シリーズはフランチャイズを続ける。
Colliderでアダム・チットウッド氏は、「『ジュラシック』シリーズは『ミッション:インポッシブル』のような息の長いコンテンツではない」とコメント。それでもマネーメーカーであることに変わりはないため、製作が続けば観客が観に行ってしまうことを嘆いている。
マルコム博士の「科学者たちは、何ができるかに夢中になって、それをするべきかどうかは考えない」という台詞を引用し、「彼らはシリーズを続けることに夢中になって、それをするべきかどうかは考えない」とも言っている。