志尊淳になぜオファーが殺到するのか? 『女子的生活』から『半分、青い。』まで、その演技を考察
今年は、この後、NHKの特別ドラマ『太陽を愛したひと ~1964 あの日のパラリンピック~』や映画『走れ!T校バスケット部』にも出演する志尊。
『太陽を愛したひと』では、1964年、東京パラリンピックが開催された時代に、部活中に事故で車いす生活となり、ある医師と出会って夢を抱きはじめる青年を演じ、『T校』では、バスケ部強豪校のエースでありながら、いじめに遭い自主退学した少年役だ。その時代の社会背景なども描いた意欲作から、青春映画まで、どちらかを演じるのではなく、同時にどちらも演じられてしまうところが、彼が次々とオファーされる所以だろう。
もちろん、その間には、『探偵はBARにいる3』で、謎に強い裏社会の用心棒としてシリーズに初登場し、『トドメの接吻』(日本テレビ系)では、先輩ホストのエイトに強い執着心を持つカズマを演じ、『ドルメンX』(日本テレビ系)では、アイドルを目指す宇宙人を演じているのだ。
強いキャラは、ふりきって演じられるが、その分、荒唐無稽な設定を見ているものに違和感なく信じてもらわなくてはいけない。もちろん、それは今の時代の要望であり、ほかの俳優にもそんな要求はつきつけられているのだが、実際に演じるときには、影の努力を感じさせず、さらっと複雑なことをやってのけているのが、志尊淳のすごさなのではないかと思う。
■西森路代
ライター。1972年生まれ。大学卒業後、地方テレビ局のOLを経て上京。派遣、編集プロダクション、ラジオディレクターを経てフリーランスライターに。アジアのエンターテイメントと女子、人気について主に執筆。共著に「女子会2.0」がある。また、TBS RADIO 文化系トークラジオ Lifeにも出演している。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『半分、青い。』
平成30年4月2日(月)~9月29日(土)<全156回(予定)>
作:北川悦吏子
出演:永野芽郁、松雪泰子、滝藤賢一/佐藤健、原田知世、谷原章介/余貴美子、風吹ジュン、中村雅俊、上村海成/豊川悦司、井川遥、清野菜名、志尊淳/間宮祥太朗、斎藤工、嶋田久作、キムラ緑子、麻生祐未、
制作統括:勝田夏子
プロデューサー:松園武大
演出:田中健二、土井祥平、橋爪紳一朗ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/hanbunaoi/