瑛太×森田剛『ハロー張りネズミ』には期待しかない 大根仁監督はゴールデンでどう仕掛ける?

結局のところ、大根監督に期待 

 そう、結局のところ、このドラマに対する期待の中心は、大根監督その人にある。かつて“深夜ドラマ番長”と呼ばれた大根監督も、今や映画『モテキ』、『バクマン。』、『SCOOP!』、さらには9月16日に公開が決まった妻夫木聡主演の映画『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』など、映画監督として広く知られる存在に。8月18日に公開されるアニメ映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』の脚本を担当していることも、大きな注目を集めている。

 しかし、そんな彼が唯一やっていなかったもの……それがゴールデンの連続ドラマだった。それだけに、本作に掛ける監督の気合いは十分だ。というか、ゴールデンの連ドラで、ひとりの人間が脚本と演出のすべて担当するのは、非常に稀な事態と言えるだろう。“バディもの”と言えば、『まほろ駅前番外地』、“探偵もの”と言えばオダギリジョー主演の『リバースエッジ 大川端探偵事務所』(2014年/テレビ東京)など、自らが得意とするジャンルで、満を持してゴールデンに殴り込みをかける大根監督。

 かつて探偵ドラマと言えば、萩原健一主演の『傷だらけの天使』、松田優作主演の『探偵物語』など、ゴールデンの“花形”とも言える人気ジャンルだった。今回の大根版『ハロー張りネズミ』は、そんな名作たちに名を連ねる、“探偵ドラマ”のスタンダードとなるのだろうか。脚本はもちろん、音楽や衣装(今回も伊賀大介が担当)、美術に至るまで、徹底したこだわりで知られる“大根組”が生み出す、新しい探偵ドラマの世界に期待したい。

■麦倉正樹
ライター/インタビュアー/編集者。「smart」「サイゾー」「AERA」「CINRA.NET」ほかで、映画、音楽、その他に関するインタビュー/コラム/対談記事を執筆。

■放送情報
金曜ドラマ『ハロー張りネズミ』
TBS系にて7月スタート 毎週金曜22:00~22:54放送
原作:弘兼憲史「ハロー張りネズミ」(講談社「ヤングマガジンKC」所載)
脚本・演出:大根仁
プロデュース:韓哲、市山竜次
出演:瑛太、深田恭子、森田剛、中岡創一(ロッチ)、片山萌美、蒼井優、リリー・フランキー、山口智子
製作:オフィスクレッシェンド、TBS
(c)TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/hello-harinezumi/

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