『ゲットダウン』J・スミスが語る、ヒップホップの始まりと真髄「ワイルドだけど知性的なんだ」

J・スミス『ゲットダウン』インタビュー

「ディジーのラップスタイルは、グラフィティがベースになっている。彼がグラフィティで描きたいことややりたいことが、ラップにも反映されているんだ。基本的にディジーは自分でラップを書いていなくて、すべてエゼキエルがみんなのラップを書いている設定なんだけどね。ブーブーはかわいらしく、ララはスキニーかつクールに、エゼキエルは作詞家としての威厳をもって。それぞれの好きなことや熱中していることがラップのスタイルにも反映されている。撮影現場は本当にいい雰囲気で、とにかく楽しかった。いつもみんなでいろいろバカをやったりして過ごしていた。みんなと一緒に仕事ができてとても幸せだったよ」

 ほかにも、若きキャスト陣はヒップホップをより深く理解するため、様々な教えを受けたという。劇中でも重要な登場人物のひとりとして描かれるグランドマスター・フラッシュや、各話のラップによるナレーションを書き下ろしたNasも、彼らに惜しみないアドバイスを与えていたようだ。

「とにかくたくさん研究をして、パイオニアたちからいろいろなことを吸収したよ。グランドマスター・フラッシュやDJクール・ハークたちの話を聞き、指導を受け、バズ・ラーマンやNasたちのビジョンもしっかりと捉え、彼らが作り上げたい世界観を理解した上で、自分はそれをどうすれば最高な形で表現できるかを考えながら役作りをした。Nasからは特にラップの部分でアドバイスをもらったよ。彼自身がラップパートを書いて、それをこういう感じでやってくれ、という指導をしてくれた」

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グランドマスター・フラッシュからシャオリン・ファンタスティックが、いわゆる“2枚使い”を伝授されるシーン

 また、ジェイデン自身もヒップホップに傾倒していて、その魅力を次のように語っている。

「親の影響で、子どもの頃からヒップホップを聴いていたよ。僕はアメリカで生まれたアフリカ系アメリカ人だし、ヒップホップは僕の人生においてすごく大事なものだった。今回、バズやグランドマスター・フラッシュたちと作品を作るにあたって、指導を受ける中で、より深くいろいろなものを知ることができたと思う。僕が考えるヒップホップは、その根底に“反抗”の精神があるけれど、それと同時に人に対して優しくしたり、理解を示したりする表現でもある。ワイルドだけど知性的なんだ。この作品で描かれている76年~77年のサウスブロンクスの人たちは、2台のターンテーブルと2枚のディスコソングのレコードを使って、そこから新しい音楽を生み出した。たった2つのものを組み合わせるだけで、まったく新しい表現が生み出せることの凄さを、この作品を通して、日本に限らず、世界中の人々に感じてもらいたいね。ちなみに最近は、フランク・オーシャンの新作をずっと聴いているよ」

 『ワイルド・スタイル』が世界中を巻き込んでムーヴメントを生み出したように、『ゲットダウン』もまた、多くの人々がヒップホップの魅力を深く理解するきっかけとなる作品となりそうだ。

(取材・文=松田広宣/写真=泉夏音)

■作品情報
『ゲットダウン』
Netflixで配信中
原作・制作=バズ・ラーマン、スティーヴン・アドリー=ギアギス
出演=ジャスティス・スミス、シャメイク・ムーア、ヘリゼン・グアルディオラ、ジェイデン・スミスほか
視聴はこちらから→https://www.netflix.com

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