【漫画】人気芸人にスキャンダル、その時ファンは……老婆との友情が尊い『推しと道づれ』

推しが突然、スキャンダルに巻き込まれた――。お笑い芸人を全身全霊で推す女性主人公の心情と、おばあさんの対話を軸にした漫画『推しと道づれ』はXで投稿され、6000を超えるいいねを集めた。
本作は小学館の新人賞「マンガイチ」で佳作を受賞した作品でもある。本作の制作背景について、作者・おわかれ会さん(@dienoerection)に聞いた。(小池直也)
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――投稿への反響はいかがですか。
おわかれ会:マンガを上げて、ここまで反響をいただけることが今までありませんでした。素直に嬉しかったです。
反応を見るかぎり、主人公と同じようにお笑いが好きな方が見てくださったようで、共感性が高かったのかなと思いました。
――本作の着想について教えてください。
おわかれ会:自分自身もお笑いが好きで、主人公と同じようにライブに足を運ぶことがあるんです。お笑い芸人のセリフは、明確なモチーフがあるわけではないんですけど、自分が見て感じてきたものが反映されている部分はあると思います。
名前は伏せますが、自分が好きだった芸人が、本作とはまた違う形でスキャンダルに巻き込まれたことがあったんです。そのときに「もしかしたら芸人を辞めてしまうかもしれない」という噂が立って。
自分の人生をベットするくらい推しに入れ込んでいる人だったら、こういう状況をどう受け止めるんだろう、と考えましたね。それを描いてみたのが本作です。
――推し活そのものに対する目線が独特だと感じました。
おわかれ会:推し活を描いた作品って、自分の存在意義のすべてを推しに代入してしまうような"病理性"として描かれることが多いと思うんです。
でも今回はもう少しフラットに、最終的には推し活そのものを肯定できる方向に持っていきたくて。自分のすべてを差し出すのではなく、自分を主体的に保ったまま、好きでい続ける。そういうハッピーエンドを目指しました。
――劇場でお笑い芸人がフリップを見せてくれるシーンも印象的でした。
おわかれ会:あれは実体験です。実在する劇場をモチーフにしていて、自分が友達とライブを見に行ったときに、見えづらい端の席に座っていたんですよ。
そうしたら芸人さんが「あちらのお客さんからは見えていないので」とフリップをこちらに向けてくれたんです。
――おばあさんを相手役として登場させたのはなぜでしょう。
おわかれ会:会話の相手役を考えたとき、しっくりきたのが、おばあさんだったんです。同年代の女性でも男性でもなく、お笑いに興味がなさそうな人だからこそ、主人公もフラットに内面を吐露できるんじゃないかなと。
最終的に主人公がスキャンダルに対して怒れるようになる、そのゴールに重なるように、おばあさんが過去に夫から裏切られたエピソードを置きました。理不尽な出来事に対して、ふたりが共鳴できる構造にしたかったんです。
――制作で苦労した点は?
おわかれ会:リアルめな題材だったので、芸人さんのやりとりやネタの部分を考えるのに苦労しました。
書かないのはウソになるなと思って入れたんですけど、自分が芸人を好きな分、全然面白くないなとなってしまったり……。そこは大変でしたね。
――作画でこだわった点はありますか。
おわかれ会:背景にはかなり時間をかけました。舞台になった公園や劇場を実際に写真に撮りに行って、それを元に描いています。
あとは犬を描くのが楽しかったですね。実家でパグを飼っていたので、当時の挙動を思い出しながら描けました。
――今後はどんな作品を描いていきますか。
おわかれ会:今はコミティアに3カ月に1度のペースで参加しているので、そこに合わせて新作を出していきたいです。今回はリアル寄りの題材でしたが、思いきったSFやファンタジーにも挑戦してみたい気持ちがあります。
新人賞への投稿も続けているので、これから商業誌での掲載も目指していければと思っています。



















