【漫画】月面到着、そこにいた生物は……? オチが切ない『地球が綺麗ですね』

幼い頃から宇宙飛行士になることを夢見、ついに月の裏側へと到達した主人公の青年。月の裏側で出会ったのはウサギのような耳が生えた女性。どうやら月では「ウサ耳」が生えた人々が楽しげに暮らしているらしい。月の世界を堪能した主人公は地球へと帰還しようとするなか、女性から真実を打ち明けーー。
pixivに投稿された少し不思議な物語『地球が綺麗ですね』は学生時代からの友人同士が、7年の時を経て実現させた共同制作物だという。原作・ゆおーさん、作画・さつ子さんに創作の裏側について話を聞いた。
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ーー本作を共同で制作した経緯を教えてください。
さつ子:ゆおーとは学生時代からの友達で、昔から「一緒に本を作りたい」という話はしていたんです。ただ7年前に高校を卒業してから2人で同人誌を作ることはなく、ゆおーも主にニ次創作を描いていました。
ゆおー:3年程前にさつ子が同人誌を出していたことを知っていたので、私から「一緒にやろうよ」と誘い、本作を共同制作しました。一次創作(オリジナル)作品をつくったのは本作が初めてでした。
ーー本作のインスピレーションや創作のきっかけについて教えてください。
ゆおー:創作する上で「私の考えた物語をさつ子に描いてもらいたい」という思いが1番にありました。さつ子の絵の特徴としてカケアミの存在が挙げられると思います。カケアミを描いてほしいという思いと、さつ子の絵には空想の世界、絵本のような舞台が似合うという思いがあり、本作の舞台を宇宙にしました。
さつ子:カケアミを描くことは好きなんです。大変そうに見えるけれど、カケアミを描いているときには心が穏やかになるみたいな感覚もあります。ゆおーに「背景などカケアミで描いてほしい」と言われて、その期待に応えようと思いワクワクしながら執筆しました。
ーー完成した作品を見て、ゆおーさんはどう感じましたか?
ゆおー:想像以上の出来栄えにびっくりしました。カケアミで描かれた宇宙の黒さと、人物のシルエットの白さ。そのコントラストが美しいと思いました。すごく良かったです。
ーー本作のテーマとして「生と死」が挙げられるかと思います。
ゆおー:生きること・死ぬことは日頃から考えていて。「ここじゃない場所に行きたいな」みたいな思いがありつつ「別の場所に行ったところで救いがあるわけではない」とも考えていて。そんな思想が本作の物語にも影響しているのだと思います。
ーー本作はハッピーエンドですか、それともバッドエンドですか?
ゆおー:簡単に言えばバッドエンドかもしれないです。でも主人公の心は、地球で生きていたときよりも救われていると思います。
ーー本作の中で印象に残っているシーンを教えてください。
さつ子:ゆおーからプロットが送られてきたときに、クライマックス部分のどんでん返しが印象的で。音楽のサビとなる部分だと思うので、このシーンで盛り上がりが最高潮となるよう意識しながら描きました。
ゆおー:私は女性が主人公に「まだ分かっていらっしゃらないんですね」と話す1コマが印象に残っています。そのシーンの女性の目は複数の線で表現されていて、すごく好きだなと思って。この1コマは物語の空気感がガラッと変わるシーンなので、さつ子の絵で印象的に表現されたことが嬉しかったです。
ーー2人にとって本作はどんな作品?
さつ子:ゆおーからもらったシナリオを使って遊ばせてもらった作品、と言いますか……。演出・作画にエネルギーの全てを注ぐことができて、迷いなく、楽しく執筆できました。
ゆおー:本作はさつ子にぴったりだなと思いました。さつ子なら物語を大切に扱ってくれるだろうと思っていたので、作品を安心して預けられると思いました。
さつ子:この作品は多くの人に読んでもらいたいというより、ゆおーを驚かせたいという思いで執筆した作品です。まるで交換日記のように描いた作品だと思います。
ーー今後の活動について教えてください。
ゆおー:「また一緒に作品を描こう」という話はしてて、次も私が原作を担当する予定です。今度はさつ子に食べ物に関する作品を描いてほしいです。他の作品で描いていた食べ物がとても美味しそうだったので。
さつ子:正直、個人の活動はそんなに考えることができていないです。とりあえず目の前のことをやっていきたいというか、思いついたものを作っていきたいですね。ゆおーも二次創作など違う畑で頑張っているので、たまに一次創作を描きたいとなったときには私からちょくちょく誘っていきたいです。



















