【漫画】ストーカーと意気投合? 「推し活の語りたい欲の暴走」をコミカルに描く『原田さん』

【漫画】ストーカーと意気投合?

 推し活の楽しみ方の1つとして、「誰かと推しについて語り合う」というものがある。Xに11月上旬に投稿された『原田さん』は、その“語りたい欲”が暴走がコミカルに描かれ、勢いと狂気と可笑しさがミックスされた前衛的な作品だ。

 読んでいる最中にさまざまな感情が引き起こされ、謎の高揚感をもたらしてくれる本作を手掛けた尊木さん(@_toutoki)に、制作の経緯などを聞いた。(望月悠木)

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『原田さん』(尊木)

ストーカーになる原因

――漫画制作はどのように行っているのですか?

尊木:兼業漫画家として、本業の傍ら、退勤後に漫画を制作しています。「継続して続けられる趣味があったほうが生活にハリが出るかな」と思い、2024年ごろから本格的に漫画制作を始めました。というか、いいねをもらえるのが気持ち良かったので、今も続けている感じです。

――なぜ『原田さん』を制作したのですか?

尊木:単純に「4コマ漫画ではない形式の漫画を描いてみたい」と思ったからです。また、ニュースでストーカー事件を見たことをきっかけに、世界観や設定などを決めました。

——原田さんがストーカーに襲われそうになり、主人公が助けて犯人と意気投合するという、意外すぎる展開でした。ストーリーを決めるうえでこだわったことは?

尊木:個人的な意見ですが、人がストーカーになる原因の1つとして「他者との関わりが浅い」という点があると考えています。「それを理解する人がいたら…」ということと、「取り返しのつかないこともある」ということを表現したくて、ストーリーを考えました。

主人公の表情のこだわり

——セリフは少なく、そのおかげで疾走感が生まれ、テンポの良さが演出されていました。

尊木:「表情で感情を説明したい」と思い、その分セリフが少なくなったんだと思います。結果的にテンポ感が良くなり、良かったです。

――タイトル通り、本作のメインである原田さんはどのように描きましたか?

尊木:原田さんは僕の好みの女性を描きました。

——原田さん以外、名前を出さなかった狙いは?

尊木:タイトルを最初に決めて描いたので、原田さんを引き立たせる意図でそうしました。

——「原田さんのどんなとこが好き?」と聞く時の主人公の表情など、犯人以上に主人公に怖さを感じました。

尊木:主人公の表情については、“同じ趣味の友達を見つけた人”の表情をそのまま描いたつもりです。

――最後に、今後はどういった作品を描いていきたいですか?

尊木:現在、「オモコロ」というWebメディアで、定期的に4コマ漫画や漫画作品を公開しています。将来的にはギャグ漫画の賞なんかにも持ち込みをしたいです。

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