日本推理作家協会賞、本格ミステリ大賞をW受賞した櫻田智也の初長編『失われた貌』刊行へ

櫻田智也の初長編『失われた貌』刊行へ

 櫻田智也『失われた貌』(新潮社)が8月20日に刊行される。

 本書は『蟬かえる』で日本推理作家協会賞、本格ミステリ大賞をW受賞した櫻田智也の初長編作品。

 山奥で、顔を潰され、歯を抜かれ、手首から先を切り落とされた死体が発見された。不審者の目撃情報があるにもかかわらず、警察の対応が不十分だという投書がなされた直後、上層部がピリピリしている最中の出来事だった。

 事件報道後、生活安全課に一人の小学生が訪れ、死体は「自分のお父さんかもしれない」と言う。彼の父親は十年前に行方不明となり、失踪宣告を受けていた。

 無関係に見えた出来事が絡み合い、現在と過去を飲み込んで、事件は思いがけない方向へ膨らみ始める。

■櫻田智也コメント

人の生死に関わる事件を、解くべき人間が解き明かす――目指したのは地道な捜査を描く警察小説であり、孤独な探偵が失敗を繰り返すハードボイルドであり、謎解きのおもしろさに満ちた本格ミステリであること。悩んだのは、捜査が仕事であり、事件が日常である刑事の視点で、どんな物語を生みだし得るのかということ。できあがった小説は、これが唯一の長編になってもかまわないと思えるものになりました。お愉しみください。

■著者紹介
櫻田智也(さくらだ・ともや)
1977年生まれ。北海道出身。2013年、昆虫好きの青年・魞沢泉を主人公とした「サーチライトと誘蛾灯」で第10回ミステリーズ!新人賞を受賞しデビュー。2017年に、受賞作を表題作とした連作短編集が刊行された。2021年には、魞沢泉シリーズの2冊目『蟬かえる』で、第74回日本推理作家協会賞と第21回本格ミステリ大賞をW受賞。他著に、『六色の蛹』(いずれも、東京創元社刊)がある。
本書は、初の長編となる。

■書誌情報
『失われた貌』
著者:櫻田智也
価格:1,980円(税込)
発売日:2025年8月20日
出版社:新潮社

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