【漫画】デート、コープス・ペイントで行ったら……陰キャメタラーが"好き"を貫く漫画に感動

【漫画】『デートにコープスペイントで来る限界ヘヴィメタル女がある少女と出会う漫画』を読む
『We're Not Gonna Take It』以外ない
――ヘヴィメタ好きの女性が主人公の重厚感ある内容でした。なぜこの切り口にしたのですか?
ゲンキダウン:「デートにコープス・ペイントで来る女性がいたらヤバいな」と思いつき、そこからストーリーを膨らませていきました。
――ヘヴィメタをキッカケに登場人物が前を向いていく展開でしたが、具体的にどうストーリーを膨らませたのですか?
ゲンキダウン:Netflixの『目指せメタルロード』など、何か負い目や悩みがある人がメタルを通じてそれを乗り越えるストーリーが好きです。自分もよくそういう話を描くのですが、今回もその王道をいった感じです。
――終盤にはヘッズたちによる『We're Not Gonna Take It』のシンガロングが巻き起こりました。蔵人と父親のやりとりが同曲のPVともリンクする部分もありましたが、この選曲の経緯は?
ゲンキダウン:主人公たちにメタルの曲を歌わせる展開を考えたとき、『We're Not Gonna Take It』以外の選曲はないと思って選曲しました。
ヘヴィメタにハマったキッカケの曲
——「メタルファッションは弱い自分を守ってくれる」など、蛇井のヘヴィメタ愛に関するセリフはどのように決めていきましたか?
ゲンキダウン:自分のメタルに対する思いの丈をぶつけました。いわば代弁と言っても良いかもしれません。
——ライブシーンはライブハウス特有の静寂や熱狂が表現されていました。ライブシーンの作画でこだわったことは?
ゲンキダウン:本作のライブシーンはキーとなるシーンではありますが、決して重要なシーンではありません。変にセリフを入れると味付けがくどくなると思い、あのようにしました。
——ちなみに、ゲンキダウンさんがヘヴィメタルを好きになった背景を教えてください。
ゲンキダウン:自分がヘヴィメタルを聞き始めたのは2003年頃です。当時通っていた古本屋のテイクフリーボックス、つまりは「過度に傷があるなど商品にならないのでご自由にお持ち下さい」となっている品物の入ったボックスに入っていたJudas Priestの『Painkiller』を興味本位で持ち帰ったのがキッカケです。
――『Painkiller』は名曲中の名曲ですし、ゲンキダウンさん以外にも『Painkiller』からヘヴィメタファンになった人も多そうですよね。
ゲンキダウン:はい。それ以降はメタルの虜になりました。困難や苦痛に苛まれたとき、メタルを聴くことでガッツが湧き、奮起し、障害を乗り越えてきました。
――最後に今後の目標などを教えてください。
ゲンキダウン:以前は商業で描いていた時期もありましたが、現在はもっぱら仕事の合間にWebやイベントで作品を発表しています。商業誌への復帰を考えていましたが、「今はマイペースに作品を発表できれば良いな」と思っています。