痴漢、万引き、DV…「男らしさ、女らしさ」が依存症を生む?『男尊女卑依存症社会』がロングセラー

『男尊女卑依存症社会』がロングセラー

 精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳が手がけた著書『男尊女卑依存症社会』(亜紀書房)が、 2023年6月の発売以来ロングセラーとなり、このたび3刷が決定した。

 著者の斉藤章佳は、精神保健福祉士・社会福祉士で、現在は西川口榎本クリニック副院長を務める。大学卒業後、アジア最大規模と言われる依存症回復施設の榎本クリニックでソーシャルワーカーとして、アルコール依存症をはじめギャンブル・薬物・性犯罪・DV・窃盗症などさまざまな依存症問題に携わる。主な著書に『男が痴漢になる理由』『万引き依存症』(ともにイースト・プレス)、『盗撮をやめられない男たち』(扶桑社)、監修に漫画『セックス依存症になりました。』(津島隆太・作、集英社)などがある。

 世界的に見ても、日本は夫婦別姓も実現せず、男女の賃金格差もOECD(経済協力開発機構)加盟国の中で世界ワースト2位と、男性優位によるシステムが根強く残る国だ。性別役割分業、つまりは「男尊女卑」の考え方が浸透しており、その社会を勝ち抜こうと男性はワーカホリックになるまで働いて、ストレスからアルコールや薬物で気分をあげ、満員電車では痴漢や盗撮に手を染める人も生まれてしまう。日本を蝕む依存症の問題は、男尊女卑社会によって生じた歪みであるとし、正さなければならない問題であると、著者は指摘する。

 「依存症は男らしさ、女らしさの病」とし、アルコール依存症、痴漢、万引き依存症、盗撮、DVなど、多くの依存症を横断的に見てきた著者が、現代日本の病理を斬り、新しい人と社会のあり方について考える。

 元TBSアナウンサーでラジオパーソナリティ、エッセイストの小島慶子は、本書について 「ついに解明された国民病。男性に重い下駄を履かせて死ぬまで働かせ、女性には報われないケア労働を押し付けてきた日本。男も女も苦しい社会を変えるために、しんどいあなたが楽になるために、必読の書です。」と推薦コメントを寄せている。

書籍情報

男尊女卑依存症社会

著者:斉藤 章佳
価格:1,760円(税込)
発売日:2023年6月21日
出版社:亜紀書房
判型:四六判
製本:並製
頁数:200頁
ISBN:978-4-7505-1797-1

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