「主語がデカい」は漫画『さよなら絶望先生』がオリジナル? 久米田康治作品の秀逸すぎる“言葉選び”

漫画家・久米田康治、言葉選びのセンス

■名言が多すぎる『さよなら絶望先生』

 ちなみに、『さよなら絶望先生』は名言の多い漫画である。糸色望の「絶望したっ!」という叫び声もネットで何度も引用され、ネットスラング化している。「絶望した!○○に絶望した!」などと使われることが多い。ちなみに、久米田の作品『かってに改蔵』で名取羽美も同じ言葉を発しているが、やはり『さよなら絶望先生』のコマが有名だろう。

 久米田康治の作風の特徴は、唯一無二のセンスと、キレのいい言語感覚である。それゆえ、ネットとの相性が抜群だと評する意見がある。社会を風刺した、皮肉満載の痛烈な言葉も多いが、漫画はそもそも風刺から始まった文化である。そうした観点から考えると、久米田は漫画の王道をいく漫画家といえるのかもしれない。

 ちなみに、「主語が大きい」は、goo辞書に「俗に、本来は自分だけの意見であるはずのことを、さも大勢が主張しているように言い換えるさま」と解説されている。じわじわと日本語として定着しつつあるようだ。

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