【漫画】永遠の夏休みを過ごす女子高生が神社で出会ったのは? 独特の世界観のタイムリープ漫画に注目

ーー本作を創作したきっかけを教えてください。

さしみしん:本作は学生時代に感じた永遠の休みに対する憧れと、神道のコンテンツ化をテーマに作成しました。

 2023年の春に、人があまり行かない神社を巡っていた時期があったんです。マップで“神社”と検索するとなんの変哲もない山とかに、神社があることがあって。そのほとんどが、現在は管理されていない廃神社でした。無音のその場で私は諸行無常さと、色即是空空即是色、確かな望郷を感じたんです。

 神社とは土地の災いを防ぐ場であり、人々が普段の生活に感謝する場。過去には、神社が建つ場所を決定する霊能力者がいたと聞きます。神社巡りや御朱印集めが流行りの現代で、廃神社にも興味を持ってほしいなと感じたのがきっかけです。

 あとは学生の頃、夏休みが永遠に続いてくれと誰しも考えたことがあると思います。そんなことを考えるZ世代の現代JKと、現代コンテンツとして結果的に巡られている神社を掛け合わせようと考えました。

ーー本作の主人公は、ループを楽しんでいるような姿が印象的でした。彼女がループにハマった理由はあるのでしょうか?

さしみしん:前提として創作物の内容については、読んでいただいた方の感想が第一優先であり答えはないと思っています。例えそれが、作者の意図していない形であったとしてもです。

 ただこれだけは言えるのは、ループしている理由を彼女自身は分かっています。これをああすれば多分ループから抜け出せるんだろうなとなんとなく分かったうえで、彼女がループしているのは間違いありません。

ーー神様は、なぜ男性の“藤原”の記憶を持っていたのでしょうか?

さしみしん:おそらく廃神社になってしまう理由には、管理者の不在や参拝者不足、村の過疎などがあると思います。

 参拝者がいない神社で参拝者が来て話せて、なんだかんだで嬉しい思い出なのでしょうね。かわいい神様です。

ーーXのコメントには考察も多く、世界観に想いを馳せるのが楽しい作品だと感じました。作者視点で、より世界観を楽しめるヒントはありますか?

さしみしん:例えば、主人公の名字である“藤原”のルーツは中臣鎌足です。天智天皇から藤原という姓をいただくまで、中臣氏は朝廷の祭事をつかさどっていました。そこで古来から神道との関わりが深い彼の藤原姓を、お借りしたんです。

 また1ページ1ページ、何かが違うことに気づいていただければと思います。あと、藤原ほのかの“設定”に注目してみてもらえると嬉しいです。

 そして触れている方が少なかったのですが、神社の神様のモチーフはカエルなんです。無事に帰れればいいのですが…。

ーー最後に、今後どのような漫画を描きたいですか?

さしみしん:普段は会社員をしておりますが、これからも片手間でジャンル問わず漫画を書いていこうと思います。今回は読者を考えさせるような漫画を目指して描いたので、皆さんがまんまと考えさせられているのはとても嬉しいです(笑)。

 私の漫画に対するご意見やご感想があれば、XのDMを解放しておりますのでどんどんくださいませ。もちろん、お仕事のお話もいただけたら嬉しいです!

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