「夢が叶う!」とネットで話題 自分だけの「新書」が作れる“AI編集者”を実際に使ってみた

「講談社現代新書」を作れるAIが楽しい

 講談社の新書レーベル、講談社現代新書が創刊60周年を迎えた。1938年創刊の岩波新書、1962年創刊の中公新書と並んで「新書御三家」と呼ばれる講談社現代新書は、“イッキ読みできる教養新書”を掲げ、他の新書レーベルとは一線を画す編集方針で多くのヒット作を生み出してきた。

 その大きな特徴は、その取り扱うテーマの幅広さだ。『現代思想入門』(千葉雅也)などの入門書や『知的生活の方法』(渡部昇一)などのハウツー本、タイトルに惹きつけられる『日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか」』(内山節)のようなユニークな作品など、バラエティに富んだ新書が出版され、その著者もベテランから若手まで様々だ。

 今回、創刊60周年を記念して公開された特設サイトには、社会学者の大澤真幸と哲学者の千葉雅也との対談記事をはじめとした関連記事や、「現代新書を知るためのトリビア10」と題したクイズコーナーなどが設置されている。


 そんな中でも今話題となっているのが、“オリジナルの講談社現代新書”を作ることができる「AI編集者」のツール、「わたしの現代新書」だ。講談社現代新書といえば白地の表紙に色の付いた正方形。この装丁は2004年から続くもので、デザインを担当したのは音楽家の坂本龍一のCDジャケットやファッションブランド「ヨウジヤマモト」のアートディレクションなども手掛ける中島英樹だ。そんな新書コーナーでも印象的な「あの四角」の本の著者気分が味わえるツールを実際に試してみた。

 「わたしの現代新書」のページを開くと、編集者の「相川」が出迎えてくれる。このネーミングは「AI」からきているのだろうか。


 「本の執筆お疲れ様でした。」と、著者を労ってくれる相川。まずはタイトルを決めるように促されるので、自分が講談社現代新書から出したい本のタイトルを考えて入れてみる。

 タイトルを決めたら、今度は「本に載せる名義は何にしましょうか?」という質問。ペンネームを決める。いつか出版する時にはこの名義で行こう!と考えたことのある読書好きは多いだろう。本名でもいいが、せっかくならペンネームをつけてみると楽しいだろう。

  ペンネームを編集者に伝えると、ついに講談社現代新書のトレードマークであるあの「四角」の色を選ぶ場面に。全8色を提案されるので、好きな色を選んでみよう。

 表紙の色が決まれば、ついに最後の作業だ。AI編集者・相川が、入力したタイトルから自動でキャッチコピーを4つ提案してくれる。コミカルなものから正統派なものまで様々で、制作するたびに変化するキャッチコピーは、かなり秀逸で購買意欲をそそるものばかりだ。

 キャッチコピーを選ぶと、ついにAI編集者・相川と二人三脚で作った渾身の講談社現代新書の新刊が完成する。ランダムで選ばれた帯の巻かれた書影を見ると、その感動はひとしおだ。

 5月24日までに講談社現代新書公式X(@gendai_shinsho)をフォローして、わたしの現代新書でつくった本をハッシュタグ「#現代新書60周年キャンペーン」「#わたしの現代新書」をつけてXにポストすると、60周年を記念して制作されたオリジナルグッズ(サコッシュ・冊子・卓上カレンダー・ステッカーのセット)が当たる企画も実施されている。この機会に、ぜひ自分だけの講談社現代新書を作ってシェアしてみてはいかがだろうか。

■参考:講談社現代新書60周年 公式サイト
https://60th.gendai-shinsho.jp/

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