水曜日のカンパネラ・詩羽「新たなスタートは“見た目を変える”ことでしか成し得なかった」

水曜日のカンパネラ・詩羽インタビュー

少しでも這い上がる可能性を提供することができたら

――終盤に登場する「とあるダイレクトメッセージが届いた」という箇所も意味深です。これは詩羽さんにとって大きい出来事でしたか?

詩羽:あの出来事が20歳の手前に起きたおかげで、がむしゃらに動けたんだと思います。気付いたら22歳になっていた、みたいな感じ。もちろん人生が変わったとまではいきませんが、あれで今があるとは思っていますよ。

 このDMが第3章のタイトル「お会いしませんか」なんです。人を通して届いた水曜日のカンパネラのDir.Fからのオファーでした。「人生はタイミング」とよく言いますが、「このことなのかな?」と直感的に感じるターニングポイントでした。

――もし届いてなかったら、「20歳で……」という考えのままだったと思います?

詩羽:大学に進学してからは、ずっといい環境だったので人生が楽しくなっていったんですけどね。でもはっきりした性格なので、もしかしたら変わらなかったかもしれません。ただ自分なりに行動することで誰かの何かに繋がればいいな、とSNSで発信したことも今日の自分に繋がっていると感じます。

――このフォトエッセイをどんな人に読んでほしいですか。

詩羽:応援してくださっているファンの方々には改めて自分の言葉で届けたいから読んでほしいですし、受け止めてくれたら嬉しいですね。まだ受け入れられていない方々も、特に負のなかで生きている方に少しでも這い上がる可能性を提供することができたら。

――本作発売の翌日には、水曜日のカンパネラとしての武道館公演が控えています。

詩羽:大きな会場で普段通り「愛してるよ」と伝える機会ですね。歌うことも純粋に好きですが、私にとってライブはコミュニケーションの場です。私があげた大きな愛をみんなが返してくれる、あんな幸せな空間は他にありません。

 前日が『POEM』の発売なので、言葉の重みがまた変わってくるんじゃないかなと思います。目一杯の愛を届けて幸せになって帰ってほしいですね。普段と変わらず緊張はあまりしません(笑)。単純に楽しみです。

――過去と今の状況に大きなギャップを感じているのでは?

詩羽:全然受け入れられてないです。「人生何が起こるかわからない」の典型だと思いますね。客観的に俯瞰して「こんなことが人生で起こるんだ! 面白いね。愛されてるね」と自分に言っている私がいます。

――最後に「愛されない」と思っていた、以前の自分に伝えたいことがあれば教えてください。

詩羽:期待はさせたくないですが「先に愛のようなものがあるかもよ?」くらいは言ってあげたいですね。このフォトエッセイも誰かの人生をガラッと変えてやるとは思っていません。ただ、読んでくれた人が踏み出す未来への小さな半歩を助けられたら嬉しいです。

■書籍情報
『POEM』
著者:詩羽
発売日:2024年3月15日(金)
定価:2200円(税込)
出版社:宝島社

■イベント開催概要
日程:2024年4月5日(金)
会場:東京-渋谷 HMV&BOOKS SHIBUYA 5Fイベントスペース
https://www.hmv.co.jp/store/event/49988/

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