ミリオンセラーの寝かしつけ絵本の新作『おやすみ、ケニー』の効果は? 我が家で読み聞かせしてみた
シリーズ累計135万部! ミリオンセラーの寝かしつけ絵本『おやすみ、ロジャー』の最新作『おやすみ、ケニー』(飛鳥新社)が、2023年11月に発売された。
著者のカール=ヨハン・エリーンは、スウェーデンの大学で講師を務める行動科学の専門家。心理学と行動科学の知識を掛け合わせ、寝かしつけ絵本『おやすみ、ロジャー』を執筆し、2011年に自費出版。2014年に英訳されると、その絶大な効果が口コミで話題となり、世界的ベストセラーとなった。
本書は同メソッドによるシリーズ第3弾。今度の主人公は、子どもが興味を惹きそうな乗り物、トラクターだ。話題沸騰の新刊を、我が家で娘に読み聞かせをしてみた。
娘に話題の寝かしつけ絵本を読み聞かせしてみると?
ちょっとした工夫で子どもを眠りやすい状況に
子どもの寝かしつけは子育てをしている人であれば、誰しもが経験したことがあり、大なり小なり、一度は悩んだことがあるのではないのかと思う。
そう、子どもは大人のように自力で寝ることが、なかなか難しい。
しかしながら、ちょっとした工夫で子どもを眠りやすい状況に誘導できるということが、今回、寝かしつけ絵本『おやすみ、ケニー』を読んでみて実感できた。
絵本を開くと、冒頭に「車を運転している人のそばで絶対に音読しないこと。」との注意書きがあり、寝かしつけの本気度を感じる。子どもはというと、表紙に描かれた、なんだか眠そうな目をした赤い色のトラクターにすっかり魅了されている様子。これは期待できそうだ。
実際に、寝る前の子どもに読み聞かせてみると、絵本の世界に入っていくと同時に、眠りの世界にも入っていき、早い段階でうとうとしはじめ、物語中盤で気が付いたらそのまま眠りについてしまった。子どもと同じように読んでいる自分自身も眠たくなってきたので、はじめに書いてあった「車を運転している人のそばで絶対に音読しないこと。」という注意に納得したのは言うまでもない。
文章には眠りの世界に誘うための工夫がたくさん感じられた。まず、物語は子どもも一緒に絵本の中に入り込めるような仕掛けがあり、【なまえ】という箇所では子どもの名前を入れて読むことができるようになっていた。
そして主人公のトラクターと一緒に、夜ぐっすり眠れるようになるための旅に出発をするのである。
ただ普通に読むのではなく、「太字の箇所は言葉や文を強調して読む」、「色文字の箇所はゆっくり、静かな声で読む」、「あくびをする」などの指示があり、子どもがより眠りやすくなるための読み方の指示もあった。
寝る前に、刺激の強い色彩のものを見るとそれだけで興奮してしまって眠りにくくなったりもするが、表紙をはじめ、添えられている絵は、色のトーンが落ち着いていて、視覚からも興奮を鎮めるような効果を感じた。
寝かしつけ、親子とともに見事に実感
睡眠は毎日のこと。寝かせたいのに寝てくれない、というストレスを抱えている方には、是非一度『おやすみ、ケニー』を試して欲しいと思う。いつもそばにいる親の声は、子どもにとってそれだけで安心感があるはず。絵本を読む習慣があるご家庭ではすぐに取り入れられるし、普段絵本をあまり読まないというご家庭でも、この1冊をきっかけに絵本の世界が拡がり、さらには子どもとのコミュニケーションも拡がるのではないかと思う。
ただひとつ。あまりの睡眠効果に、子どもより先に自分が寝落ちしてしまうことだけ、ご注意ください。