アニメ『東京リベンジャーズ』で話題の“鬼と天使”な河田兄弟 声優・河西健吾の演じ分けにも注目

アニメ『東京リベンジャーズ』で話題の“鬼と天使”な河田兄弟 声優・河西健吾の演じ分けにも注目

 アニメ『東京リベンジャーズ』に登場するアウトロー集団・東京卍會(とうきょうまんじかい)は、とにかく個性派揃いだ。一度見たら忘れられぬそうそうたるメンバーのなか、アニメ三期にて頭角を現したのが、肆(よん)番隊隊長・河田ナホヤと副隊長の河田ソウヤ。2人は双子の兄弟であり、アニメ38話 『The longest day』では強烈なインパクトを残して話題を呼んだ。

 ニッコリ笑顔がトレードマークの“スマイリー”ことナホヤと、怒った顔が印象的な“アングリー”ことソウヤ。双子の魅力は愛らしいルックスだけでなく、活躍ぶりと独特の個性が関係している。本稿では、原作『東京卍リベンジャーズ』からその魅力を深掘りしてみたい。

見た目とは裏腹に……ぶっ飛んだ“ツインデビル”

 常に笑顔を絶やさない兄と“キレ顔”ながら優しさが滲み出る弟、強面の不良に比べると2人は10代の少年らしい愛嬌がある。剃り込みや派手なピアスも刺青もなく、「見た目だけなら」他の隊員より少しばかりとっつきやすい印象を抱くかもしれない。

 けれどもマスコット的なイメージとは裏腹に「目黒のツインデビル」なんて恐ろしい呼び名を持ち、東京卍會加入前も兄弟でチームを組んでいた実力者だ。横浜のチームである天竺の一員が怯えながら例の呼び名を口にするほど、知名度は高い。きっと存在を知らしめるべく数々の喧嘩を繰り広げてきたのだろう、見た目とのギャップがすごい双子である。

 特にスマイリーのぶっ飛び具合はなかなかのもので、ニコニコ笑顔のまま血気盛んなセリフを平気で口にする。発言からして威勢の良さが伺えるし、そんな兄と組み続けているアングリーもなかなかのもの。2人が隊長・副隊長のポジションに立つのも思わず納得してしまうパワフルさだ。

勝てる喧嘩はしない!双子で立ち向かう強いカリスマ性

 双子が界隈で名を知らしめた理由はもともとのポテンシャルだけではなく、「勝てる喧嘩はしない」という尖ったポリシーにあるだろう。

 不良の世界なら一度の負けが今後の動きに大きな支障をきたす可能性が高く、自分たちの評判を落としかねない。それに誰もが戦いには敗れたくないものだ。彼らは非常にリスクの高い選択を取っているものの、その行為さえ楽しんでいるのだから、本当に肝が据わっているとしか言いようがない。このポリシーが2人を成長させ、「ツインデビル」の名を大きく上げるきっかけとなったに違いないと筆者は推測する。

 敗北に対し過度な恐れを抱かないからこそ、前へ進む積極性を持つスマイリーとアングリー。一度完敗したにも関わらず、因縁の相手である望月莞爾が所属するチーム・天竺のアジトへ乗り込もうとする姿勢にはタケミチ同様、視聴者も驚いたはずだ。

 勝てる喧嘩はしない主義を掲げるからこそ、敗北エピソードもさらりと語る。負けず嫌いの壱番隊副隊長・松野千冬は理解に苦しんでいたが、視聴者からすればこの潔さは見ていて逆に気持ちが良い。

 河田兄弟は独特の個性と、双子同士の固い絆が特徴的。界隈で存在を広く知らしめた秘訣は、そうした2人のカリスマ性あってのことなのだ。

正反対の2人を演じ分ける河西健吾の表現力に拍手喝采

 アニメ一期より登場していたスマイリーだが、アングリーは三期で初登場。どちらも河西健吾が声を担当している。

 1人の声優が双子キャラを務めるのはアニメ業界あるあるだが、河西のハマり具合がとてつもなく素晴らしい。まさイメージ通りのボイスでキャラクターが立体化し、思わずそう!これこれ!と誰もが頷きたくなるレベルの再現度だ。

 スマイリーの含みがありそうな話し方に加え、怒っているのにどこか柔らかいアングリーの不思議なバランスが非常に心地良く感じる。また双子と言えど声色を寄せすぎておらず、個性の差別化がはっきりとなされているのがたまらない。

 アングリーの単体だけではなく、お互いの掛け合いが河田兄弟の存在感をより増長させる。アニメを見て河西の声を聞くことにより、より一層2人の魅力を発見できるに違いない。今後にも期待に胸を膨らませながら原作を読み返し、毎週の放映に向けて「予習」をするのもまた楽しいはずだ。

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