【漫画】飲み屋でくだを巻いているジイさんたちの意外な正体とは? ノスタルジックなSF漫画が話題
「飲み屋の常連客のしょうもないジイさんが実はけっこう強かった、というマンガ。」を読む
――本作をなぜTwitterにアップされたのですか?
丸岡九蔵(以下、丸岡):この作品は秋田書店の「月刊ミステリーボニータ」に連載中の漫画です。コミックスが発売されたので、プロモーションとして投稿しました。試し読み的に収録作13話の中から3話を上げたのですが、本作が一番反応が多かったです。
――その要因は何だったのでしょう。
丸岡:「しょうもない奴だと思われていたキャラが実は能力が高くて人助けをする」という話は王道でわかりやすく、Twitterで好まれる内容だろうと予想はしていましたね 。
漫画の内容をあらかじめ示しておくほうが読まれやすいというのもTwitterの傾向ですので、「飲み屋の常連客のしょうもないジイさんが実はけっこう強かった、というマンガ。」とある程度ネタバレを含むタイトルを付けました。
――ご自身もTwitter漫画は読まれていますか。
丸岡:そうですね。日々、ちょこちょこと読んではいます。僕も自主製作の漫画をTwitterに上げていたのが注目されて商業所業連載に繋がったので、気にはなりますね。Twitterが今でも一番拡散力があり注目を集めやすいSNSだとは思います。
――物語の起承転結が鮮やかだなと個人的に感じました。こちらについては?
丸岡:そう言っていただけると嬉しいですね(笑)。僕自身が手塚治虫や藤子不二雄、 西岸良平作品など昭和に発表された漫画に影響を受けているので、文法的にも絵柄的にもその感じを狙っています。音楽に例えると「2023年でもデジタル機材を遣わずにあえて3ピースでロックをやる」みたいな。こういう形式が好きなんですよ。今どきのもっと絵がきれい緻密でコマが大きい作画法だと多くのページ数が必要かもしれませんが、この手法なら16ページでもコンパクトに展開を付けられます。
――レトロな漫画に惹かれるのはなぜ? 扱う題材も飲み屋や落語、古本屋などレトロなものが多いと感じられますが。
丸岡:細かいコマ割りや省略によって1話にギュッとまとめられているのが魅力ですね。わかりやすくて、オチがきれいにつく感じも好き。必ずしもハッピーエンドがいいという訳ではありませんが、変に暗くしても仕方ないですしね。
自分の思春期は90年代でしたが、当時から60~70年代の過去の文化に惹かれていました。なので自分が描く漫画で扱う題材も自然とレトロ調になるのかなと。
――制作についてはいかがでしょう。
丸岡:ペン入れまではアナログ作業で、紙に描いています。それをスキャンして、仕上げはデジタルでやっています。さらにSNSに投稿しているわけで、レトロな作風と言われがちですがデジタル化の恩恵もたくさん受けているんです。アナログとデジタルの良いとこ取りで活動できていますね。
また、描く題材は古かったとしても、実際に描いているのは今の人間像です。現在の価値観を反映させて描いていますし、義理人情っぽくまとめつつも男尊女卑にならないよう心がけています。また、読者が混乱しないように、それぞれのキャラクターを極端に似ていないデザインにするなどの工夫もしていますね。
――最後に今後の活動について教えてください。
丸岡:5月ごろに新作漫画が発表される予定です。内容はまだ詳しく言えませんが、私のTwitterを追っていていただければ、いずれ詳細がわかると思います。ぜひチェックしてください。