手塚治虫、石ノ森章太郎、永井豪 一番多く原稿を描いた漫画家はだれ?
手塚は多作であり、現存する4大少年漫画雑誌「週刊少年ジャンプ」「週刊少年マガジン」「週刊少年サンデー」「週刊少年チャンピオン」のすべてに連載経験があり、『ブラック・ジャック』と『三つ目がとおる』のように週刊連載を同時にこなしていた時期もある。
(クイズの答えは3ページ目で!)
石ノ森章太郎と永井豪の凄さ
漫画界の全集の冊数では手塚治虫の『手塚治虫漫画全集』が400巻でトップだったが、石ノ森章太郎の『石ノ森章太郎萬画大全集』が500巻を達成し、手塚を抜いた。公式に発表された総ページ数は約12万8000ページであり、単純計算で石ノ森は約13万枚近い原稿を描いていることになる。
石ノ森は多作で極めて有名だ。週刊連載を何本も掛け持ちしており、「昔は月650枚という無茶もやったが、最近では歳だから300枚でフウフウいう」と発言していたが、これはアシスタントを入れているとはいえ、1人の漫画家では考えられない超人的な枚数である。石ノ森以上の月産執筆枚数を超える漫画家は、他にいるだろうか。
石ノ森の弟子である永井豪も圧倒的に多作であり、月に400~500ページをこなしていた時期もあるという。永井は週刊連載を何本も掛け持ちしていた時期があるが、これはやはり石ノ森の影響が大きいようで、来た仕事は断らずに引き受けていたためである。しかも、永井は締切りを破らない漫画家としても名高く、原稿をぎりぎりまで描き続け、時には逃亡まで図る手塚治虫と違って、編集者には非常にありがたい存在でもあった。
現在は「ジャンプ」の専属契約の制度もあり、さらに漫画家の体調を考慮する動きもあるため、こうした超人的な執筆枚数の漫画家はほぼいないと言っていい。とはいえ、それでも月産100ページを超える仕事量の漫画家は存在するようだ。いずれにせよ超人的な仕事量と言っていい。漫画家は発想力や画力ももちろん重要だが、精神力、気力、体力など、総合格闘技のような能力が必要な職業といえるのではないだろうか。