長濱ねるはなぜ出版界でも注目を集めるのか 「読書の日」に考える、読書家インフルエンサーの存在感

「読書の日」で考える、長濱ねるの存在感

 本日10月27日は、1947年に制定された「読書の日」。11月9日まで続く「読書週間」の初日だ。「若者の読書離れ/活字離れ」という言葉が語られて久しいが、本稿では、そんな中で読書の楽しさと、そこから得られる体験の素晴らしさを語り続けている若きスター、欅坂46の元メンバーで女優・タレントの長濱ねるに注目したい。

 読書家で知られる長濱は、将来の夢を「地元(長崎県長崎市)に帰って司書になること」として、ラジオ等で実際に勉強していることも明らかにしている。両親が共働きで図書館で過ごすことが多く、母親が読書家だったこともあり、子ども時代から本に親しんできたという。

 2021年2月発売の「bis」では、おすすめの愛読書を紹介。とっておきの一冊は「そのときどきで変わる」としながら、『i(アイ)』(西加奈子)、『そして、バトンは渡された』(瀬尾まいこ)、『おめかしの引力』(川上未映子)、『深呼吸の必要』(長田弘)、『火花』(又吉直樹)とツボを押さえた選書で、読書の魅力を伝えた。同年は幻冬舎文庫フェアキャラクターを務め、文庫の販売に大きく貢献している。

 そんな長濱が、本日「読書の日」発売の『クイック·ジャパン VOL.163』で大きく取り上げられているのはーー直接的に「本」にかかわる企画ではないが、気が利いている。「長濱ねると話そう」と題した特集で、親友の上白石萌歌、写真家·石田真澄との対談、本人インタビュー、「日本全国の同世代が答える『長濱ねるからの質問』」等、盛りだくさんの企画に臨んでいる。

 詳しくは同誌をチェックしていただくとして、大切なものを紹介する「私のお守り」というコーナーには、敬愛する小説家·西可奈子からの手紙や、早見和真本人からもらったという『笑うマトリョーシカ』のゲラ(校正刷り)がラインナップされていた。インタビューではエッセイを「書く」ことの楽しさを語っているのも印象的だ。

 長濱自身が主体になった「本」といえば、2017年12月に発売され、記録的なベストセラーとなった1st写真集『ここから』だが、エッセイの出版も待ち遠しい。TikTokで本の魅力を語り、売り上げを左右する存在になった「けんご」など、読書の楽しさを伝えているインフルエンサーは少なくない。そのなかでも際立った存在感のある長濱ねるは、出版業界からも注目を集め続けることだろう。

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