【漫画】家族で過ごす“最後の聖夜”に起きた奇跡 SNSで話題『錯綜のメリークリスマス』が泣ける
「自分の想像をかたちにしたい」
――絵はいつから興味を持っていたのですか?
稲実:物心ついた時から絵を描いていました。今思えば「絵が好き」というよりも「空想が好き」で、空想のメモとして絵を描いていた気がします。幼い頃はオリジナルの技や武器ななどを描いていました。
――本格的に漫画制作を始めた時期は?
稲実:2年前、初めて描いた読み切り漫画を持ち込みに行った際、現在の『ジャンプ+』の担当さんに拾ってもらったことがキッカケです。ファンタジーものを描いて、「ストーリーは荒削りだけどキャラクターは魅力的」と言ってもらったことを覚えています。ただ、「自分の想像をかたちにできたら」という思いから漫画制作に励んでいましたが、実際に読んでもらうとなると自分のイメージを相手に伝えることの難しさを痛感しました。
――『錯綜のメリークリスマス』制作の背景をお聞かせください。
稲実:担当さんに簡単なあらすじをまとめたアイデアをいくつか見せた時、「面白くなりそう」と言ってもらったのがこの話です。当初は子どもと親とのバトルを描いたコメディものだったのですが、ラストシーンを思いついた結果、ヒューマンドラマ的な要素が加わりました。
――シリアスとポップのバランスが絶妙でしたが、どのように意識しましたか?
稲実:シリアスな部分が重たいため、あまり暗くなりすぎないように意識しました。とある家族のわちゃわちゃを傍から眺めるホームコメディ感を出したかったのですが、気を抜くとシリアスが強めに出てしまうので難しいです。ポップな漫画は憧れます。また挑戦したいです。
子どもの“何考えているか分からない感じ”
――そうちゃんの目がすごく印象的でしたが、なぜ両親の目とは違う描き方をしたのですか?
稲実:「子どもの一挙一動に振り回される親」というものを描きたかったので、“何考えているか分からない感じ”を表現した結果、あの目になりました。また、カートゥーンアニメを好んでよく見ることも影響したのかもしれません。
――オチの“本当のサンタクロースの登場”は最初から決まっていたのですか?
稲実:決まっていました。ラストのあの展開を思いついてから、そこに繋げるためにそれまでのストーリーを作りました。一番描きたかったシーンなので、描いていて楽しかったです。『ジャンプ+』は様々な年齢層が閲覧するサイトなので、万が一の場合、夢を壊すような漫画にはしたくありませんでした。ですので、セリフや話の展開には気をつけました。
――今後はどのように漫画制作を展開していく予定ですか?
稲実:『ジャンプ+』での連載を目標に、読切を完成させることで漫画経験を積んでいる段階です。応援していただけると大変励みになります! ちなみに、『錯綜のメリークリスマス』は現在『ジャンプ+』に掲載されております。編集さんに写植やアオリを付けていただきました。フォント一つでセリフの印象がここまで変わるのかと驚きました。是非ご覧ください。また、2022年1月に公開された最新作『ドールガール』もチェックしてもらえると嬉しいです。人形サイズに小さくなってしまった少女と、その幼馴染との青春を描きました。成長を感じてもらえたら嬉しいです。
Twitter:https://twitter.com/shiki_173
『錯綜のメリークリスマス』https://shonenjumpplus.com/episode/3269632237319150991
『ドールガール』https://shonenjumpplus.com/episode/3269754496710290809