【漫画】家から出られなくなった女の子がとった行動とは? Twitter漫画『ステイホームバースデー』
ーーコロナ禍の生活を俯瞰できる作品だと感じました。創作のきっかけを教えてください。
タケオキュージュウ(以下、タケオ):2020年に開催されたSF作品の漫画賞に応募するために本作を描きました。新型コロナウイルスが日本で確認されて初めて緊急事態宣言が出された当時、現実の世界をSF作品のように感じていました。本作はそのときの感情を面白おかしく描いた作品です。
普段であれば多くの人がいるところでもまったく人がおらず、まるで映画の世界にいるような感覚でした。みなが家の中にいるという違和感が発想の原点だったと思います。
ーー家の中を題材とした作品を描いた背景を教えてください。
タケオ:映画『ウィンチェスターハウス』、『CUBE 一度入ったら、最後』といった家の中から出られないシチュエーションが好きなんです。そういった趣向も本作に影響されていると思います。
ーーコロナ禍によって漫画家として活動するタケオさんにも影響はありましたか。
タケオ:人と交流することにおいては、自分はコロナ禍になってからもあまり変化しなかったと感じています。どこにいてもスマートフォンやパソコン越しで会話できるので。コロナ禍となる前、インターネットやSNSが普及してから友人と会う機会が少なくなりました。そして近くに住んでいる人も遠くに住んでいる人も、会う機会があまり変わらないことに気づいたのです。
昔であれば人と交流するには直接会うという方法しかなかったのだと思いますが、今はスマートフォンなどを用いて、いつでも人とつながれるようになったと感じます。インターネットやSNSが普及した現代も、一昔前の世界から見たらSF作品のようですね。
またSNSが登場したころから評価が数値化されるようになったと感じています。Twitterであれば「いいね」や「リツイート」の数などですね。作品をSNSに投稿するなか、良くも悪くも自分の評価観点が目に見える数字になっていることも感じています。
ーー最後に女の子が部屋から出ることを諦めるシーンが印象的でした。
タケオ:日本は“仕方ない”と思う人が多いのかもしれません。その背景として地震が多く発生することなど、壊れてなくなってしまうことを示した諸行無常の気持ちが他国の人よりもあるのかなと思います。
今となって振り返ると、コロナウイルスにまつわる騒ぎも完全になくなるわけではないとは思い、受け入れる、仕方ないということを本作で描いたのだと思います。しかし当時はそんなに深く考えて描いてはいないです(笑)。
ーータケオさんが漫画を描くうえで意識していることを教えてください。
タケオ:商業として作品を描く際には、エンタメ要素を意識したりなど、読者から支持されることを考える必要があるかと思います。僕の場合は商業的に描く漫画、そして自分の描きたい漫画が別に存在しています。
本作はどちらかいうと自分の描きたいテーマを描いた作品です。商業的な作品とは別に自分の描きたいテーマを描くことで、自身の心のバランスをとっているのだと思います。
ーー漫画を描きたいという気持ちはどこから湧いてくるのでしょうか。
タケオ:僕の場合、他者と繋がる手段の1つが”漫画”なので、コミュニケーションの一環で描いていると思います。