『こち亀』両津勘吉は2020年代を予言していた? プレステ5からeスポーツまで、現実になった出来事4選
『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の主人公、両津勘吉。彼の魅力はさまざまなものがあるが、その一つに「未来を予測する力」がある。
劇中で彼が発言・提案したことが、その後、現実になったケースが山ほど存在しているのだ。今回はそんな「実現した両津の予言」を検証してみたい。
プレイステーション5の発売
2020年11月12日に発売されたプレイステーション5。現在も希少価値が高く、入手困難となっている逸品だ。
そんなプレイステーション5の発売を、両津は2006年に予言していた。149巻の「タイムカプセルに賭けろ!!」で、10年後に値上がりすることを期待してタイムカプセルにプレイステーション5のゲームソフトを入れようとした本田速人に対し「プレステ2は10年後はプレステ5か、新たなゲーム機になっていると思う」と語っていたのだ。
プレイステーション5は2020年に発売。10年後ではなかったが、後継機種が「5」まで登場するという見立てで、ほぼ的中している。また、「新たなゲーム機」はニンテンドースイッチ、あるいはスマートフォンも該当するといえるだろう。屈指のゲーマーである両津は、10年後のゲーム市場の変化をしっかりと予想していた。
スーパー銭湯の登場
潰れる寸前だった松ノ湯の再建を頼まれた両津。彼が考えたアイディアが、銭湯のレジャーランド化だった。
アイディア図には檜や電気、ネオンなど7つの風呂と観覧車などのアトラクションが描かれており、「大人から子供まで楽しめる松ノ湯ランド」と胸を張る。結局、資金難からこの計画が実践されることはなかった。1992年の日本では、若干アイディアが早すぎたのだ。
銭湯をレジャーランド化するという発想は、1990年代後半から2000年代前半にかけて具体化され、スーパー銭湯として全国各地にオープンする(※スーパー銭湯に類似する施設は、1970年代より少数だが見られた)。現在では大きな店舗に複数の風呂、さらにはレストラン、ゲーム施設、マッサージなど風呂と娯楽施設が併設されたスーパー銭湯が数多く存在しているのは周知の通りだ。
電気の販売
2016年に自由化され、民間でも販売できるようになった電力。両津は「電力を販売して収入を得る」ことを1991年発売の72巻で予見していた。
両津は寮の電気料金が値上がりしたことから、「自分で作る」と発電の方法を考える。まず始めたのは、現代でも行われているソーラーパネルを利用する方法。さらに風力、水力、火力などを利用し、電気を作ることに成功する。ところが生産過多になってしまい、両津は電気を売ることを思いつく。
両津は電力会社と交渉し、電気の購入契約を結び、こっそりと金を儲けていた。当時は「電気を売って金を儲ける」という発想はほとんどなく、あっても具体化することは法的に難しい社会となっていた。
現在は正式な手続きを踏めば一般の企業でも電気を売ることができる。両津の発想は、完全に現実になった。