奥山かずさ『月刊』とグラビアを語る「以前は弱さなんて絶対に見せたくなかった」
グラビアから得たもの
――グラビアデビューから約3年。「続けてきてよかったなぁ」と実感することは何ですか?
奥山:いちばんは、体型維持ができること(笑)。ストイックに体づくりを行っているわけではないですけど、常に気を遣ってはいますし、綺麗でいられるに越したことはないので。精神面でいうと、誤魔化せない自分と対峙できたことですかね。自分を曝け出すことで自我も芽生えますし、本当にやりがいしかありません。
――ここまで人物にフォーカスを当てた撮影っていうのもないですしね。
奥山:はい。ファッション系の撮影だと、メインは洋服ですからね。女優として演技をしているときは、私であってはいけないし。こうやって何気ない瞬間を撮っていただけるのはグラビアだけなので、毎回自分の表情にビックリしますよ(笑)。私、こんな顔で笑うんだって。自分ではなかなか見られない表情ばかりなので、私にとってはいいことづくめですね。
――本作は、1990年代後半から2010年ごろに一世を風靡した「月刊」シリーズとしてのリリースです。今、改めて昔の「月刊」を読み返すと、当時の感覚や時代の空気感みたいなものが伝わってくると思うのですが、もしかしたら本作も、時代を超えて見返される作品になるかもしれないですよね。
奥山:そうなってほしいですね。本作は、話題になって即重版するよりも、2021年代に発刊された「月刊」シリーズのいち作品として、長く評価されるのが理想だと思っています。10年後、20年後、再び手にとって見返してくれる人がいたら嬉しいですね。
――では最後に、自分と向き合い、ありのままの自分を写せた本作を、今後の活動にどう活かしていきたいですか?
奥山:表紙に選ばれているカットは、きっとグラビアをはじめた頃の私だったら、絶対に使わないでくださいって言っていたはずです。当時は弱さなんて絶対に見せたくなかったし、そんな姿を撮られないよう、常に身構えていましたから。でも少しずつ、カッコつけていない素の姿をカメラの前で見せられるようになりました。これは私にとって、とても大きなことです。
ありのままを曝け出すことへの不安は、まだあります。でも、こうしなきゃいけないといった偏った思い込みや、必要以上にかけすぎてしまうプレッシャーは全部取っ払っていきたいし、これからは、完璧すぎない自分をちょっとずつ肯定していきたいですね。本作は、まさにありのままの私を肯定してくれた写真集だと思うので、本作での経験を糧に、もっと深みのある人間に成長していきたいです。