『HUNTER×HUNTER』ゾルディック家の謎ーー暗黒大陸との関係は?

ゾルディック家の謎

※本稿は『HUNTER×HUNTER』についてのネタバレを含みます。

 約3年の休載期間を経て尚、高い人気を誇る漫画『HUNTER×HUNTER』。考察しがいのある複雑なストーリーと設定はもちろん、魅力的なキャラクターが多いこともその人気の一因だろう。

 キャラクターの中でも常に1位、2位の人気を誇るのが、主人公・ゴン=フリークスの親友であるキルア=ゾルディックだ。キルアは12歳であるにも関わらず暗殺者になるための英才教育を受けてきており、かなり高い戦闘能力を持っている。その暗殺術にプラスし、念能力も高い。変化系能力者でもあり、オーラを電気に変えてスタンガンのように敵を感電させたり、敵の頭上に落雷させたり、超高速で動いたりと、数々の技を使いこなしている。さらに、いつも冷静沈着で頭の回転が早いキルアは、ゴンといいコンビっぷりを発揮。確固たる絆が見える2人のやり取りも人気の秘密の一つだ。

 そんなキルアの生家であるゾルディック家は、いまだ謎が多い。今後のストーリーにも大きく関わってきそうなゾルディック家について、改めて振り返ってみよう。

 ゾルディック家は伝説の暗殺一家で、代々殺し屋稼業をしている一族。その名は広く世に轟いている様子だが、素性は不明。一部では顔写真を取るだけでも高額が支払われるという噂もあるほどだ。だが、一族は世間から身を隠して生活しているわけではない。「“パドキア共和国デントラ地区のククルーマウンテン”といえばゾルディック家」という認識が地元で広まっているように、広大な屋敷は観光名所になっており、1日に1本観光バスが出ているほどだ。

 とはいえ、あくまでも“暗殺一家”。入り口には「試しの門」と呼ばれる巨大な門があり、簡単に家に入ることができない。門は7つまであり1つ数が増えることに重さが倍になり、押す力の強さによって扉が開く。ちなみに試しの門を開く以外のルートで入ると、侵入者と見なされて番犬・ミケに食い殺されてしまう。試しの門を開けないものはゾルディック家に入る資格はないというわけだ。

 外部からの侵入に備えて、万全の体制を備えているゾルディック家。だからこそ使用人たちも百戦錬磨の手練だらけだ。例えば、ゴンたちが一番最初に接した、セブロ。表向きは門の警備員であるが、ミケが殺した侵入者の後片付けも行なっており、一人で試しの門を開けるだけの力を持っている。また、執事長のゴトーもそうだ。コインを念で弾き、弾丸のように操る能力の持ち主でかなりの実力者だ。しかし実はルキアを大切に思っている、愛情深い人物。最初こそゴンたちを追い返そうとしたり、試したりしていたが、ゴンにキルアを託したり、キルアがアルカを連れ出す際に同行してサポートをしたり、何かを手を尽くしている。他にも執事歴が長いツボネや、その孫娘のアマネなど、男女問わずに実力者たちが集っている。

 もちろん、個性豊かなのは使用人だけではない。ゾルディック一族も癖のある人物ばかりだ。長男のイルミは針を刺したものを操ったり、自分に刺して顔を変えたりすることができる操作系能力者。キルアに暗殺術を教えた一人であるだけあり、かなりの腕前で父や祖父とも対等な関係を築いているように見える。キルアに対しては屈折した愛情を抱いており、キルアの頭に念能力の針を刺して洗脳をしていたほど。ヒソカやクロロとも交流があり、独特の危うさを持っている。

 次男のミルキは、ものを口にしているシーンがかなり多い肥満体。そのためか、直接自ら手を下すのではなくハッキングなどで暗殺のサポートをすることが多い。キルアに対しては憎まれ口を聞きながらも、決して仲が悪いわけではない。フィギュアやゲームが好きなオタクということもあって、キルアがグリーンアイランドを手に入れるための協力を要請していたこともあったほどだ。

 第4子となるアルカは性別不明。もうひとり「ナニカ」という人格が内にあり、アルカのおねだりを3回叶えるとナニカが出てきてお願いを叶えてくれるという能力がある。ちなみに、おねだりを4回連続断るとおねだりされた人物とその人物が最も愛する人が死んでしまう。さらに、お願いごとの難易度に比例しておねだりの難易度も高くなり、叶えられないと死ぬ人も増えていくが、キルアが命令した場合だけは代償なく願いを叶える「お兄ちゃん子」だ。

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