『頭文字D』のハチロクは、ドライバーを育ててくれる車だった 元ディーラーが解説
車好きにとってロマンしかないハチロクだが、現在購入するのは非常に困難である。1980年代当時の新車価格は、130万円から160万円だった。しかし、『頭文字D』の大ヒットや土屋氏のメディア出演などでAE86の価格は驚くほど高騰している。最低でも250万円以上の車両でなければ、まともに走行できない可能性がある。極上車であれば500万円を優に超えるだろう。
30年以上も前に登場した車が300万円を超える。なんとも現実的ではない話だ。メンテナンスや維持に莫大な金額がかかるだろう。そのため、もうハチロクを諦めるしかないと考える方もいるだろう。
しかし、2012年にハチロクのコンセプトを受け継ぎ、スバルと共同開発の86・BRZが登場した。現在はモデルチェンジを経てスタイリングと走りがより洗練されている。前期モデルであれば、十分手が届く価格帯だろう。
ハチロクの遺伝子である、軽量・コンパクト・低重心を受け継いでいる86・BRZは、大いに我々を楽しませてくれる車だ。当時ハチロクに乗っていた方にこそ、是非ともステアリングを握ってもらいたい。
ちなみにWebメディア「Motorz」の公式YouTubeチャンネルには、15年かけて『頭文字D』仕様のハチロクを本気で作り込んだ猛者も登場しており、車の楽しみ方はひとつではないことを教えてくれる。
車があればどこにでも行ける。行動範囲は、道が続く限りである。『頭文字D』を読んでいく中で、車に対する考え方が変わる方もいるだろう。この機会に車を運転することの楽しさ見つけてほしい。