【漫画】ゾンビに襲われた家族……そのとき、お父さんは!? Twitterで話題『西東京・オブ・ザ・デッド』がおもしろい

ーー家族の絆を感じつつ、最後のお父さんの行動に可笑しさや共感を覚えました(笑)。創作のきっかけを教えてください。

大串ゆうじ(以下、大串):自分は頭の中で妄想を膨らませることが好きで、日々の妄想から浮かんだアイデアをストックしています。本作の設定もホラー映画のなかで、「もしゾンビから逃げる途中で心配性なお父さんに振り回されたら面白いだろうな」と散歩をしながら思いつきました

 最初は本作のオチにつながる物語を、落書きのようなラフ画で描き始めました。すると自分でも楽しくなってしまい、お話が膨らんでいって。Twitterに漫画作品を投稿するのは初めてだったのですが、想像以上に反響をいただき嬉しかったです。

ーーゾンビに関する情報を調べるカナちゃんや、家族の雰囲気を和ませるケンジくんなど。それぞれに役割がある魅力的な家族だと感じました。登場人物を家族とした理由を教えてください。

大串:特に意識したわけではなく、自然と4人家族の物語を描いていましたね。

 以前は自分の頭の中にある世界について考えることが好きで、家族や子どもにはあまり興味を抱いていませんでした。結婚して子どもが生まれてから家族について考える時間が増え、家族や子どもに関するアイデアも増えたと感じます。コロナ禍になってから家族としか話さない日が多くなった影響も大きいと思います。

ーー漫画である本作を描くなかで、絵本を執筆する際との違いはありましたか?

大串:物語として漫画を描いたのは本作が初めてでしたが、アイデアが作品となるまでの時間がとても短かったです。自身の画風の影響もありますが、絵本だと長い時間をかけて細かく描いているので。創作におけるスピード感の違いが面白いと感じました。

 絵本を描く際にはなるべく文章を短くすることを意識していますが、漫画だと長い台詞や細かいギャグなど、たくさんの情報を入れることができる点も異なりますね。また絵本だと子どもが読者となるので、ゾンビを登場させる際には漫画の方が向いていると思いました。

ーー大串さんは奥さまやお子さまと一緒に暮らしていると伺いました。家族が自身の創作活動に与える影響について教えてください。

大串:創作をするなかで、ときに家族の存在がストレスになることはあります。ひとりで集中したいと思うこともあります。

 ただ完全に自由な環境となってしまうと、自分は怠けてしまうんですよね。創作の合間に家事をしたり、子育てをしたり。ちょっとストレスがある状態が自分にとって1番創作に向いているのかなと思います。

大串ゆうじさんの絵本作品はこちら!

『やまがみさまのきょだいべんとう』
著者:大串ゆうじ
出版社:偕成社
定価:本体価格 1,200円+税
発売日:2021年8月
https://www.kaiseisha.co.jp/books/9784033501505

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる