お気に入りの本と雑貨が定期便で届く“書籍のサブスク”、巣ごもり需要で流行なるか?

書籍のサブスクは日本でも流行するか?

 SNSでの購買層を見ると、ハリー・ポッターのファンに様々な年齢の人がいることと同じように、それぞれのYA小説にも様々なファンがいる。加えてOwlcrateは、ボックスの中にテーマに合わせた色々な雑貨が入っている。アロマキャンドルや靴下、マグカップ、ブックマーク、えんぴつなどその内容は多岐にわたるが、その多くが前述のように“本にまつわる”アイテムである。読書のお供にコーヒーを勧める意味を込めてか、コーヒー豆が入っていたこともあった。毎月何が届くかわからず、ワクワク感が持続する。

 さらに、これらの海外のサブスクリプションボックスは、日本からオーダー可能なものも多数ある。筆者が半年間サブスクリプションに登録していたOwlcrateも、6個が全て無事に届いた。毎月の発送に先駆けてテーマと内容物の書かれたメールが届き、なんとなくどんなものが届くのかが想像できるようになっている。さらに昨今ではInstagramのハッシュタグで検索することにより、過去のボックスから最新のボックスまでのネタバレを見ることも可能。OwlcrateはボックスのファンがSNSに開封動画を投稿することも多いので、オーダーを検討する際は合わせて調べてみると参考になるだろう。

 サブスクリプションサービスが台頭している今、このように本にまつわるグッズと共に毎月とっておきの本が届くサービスが日本でもメジャーになる日がくるかもしれない。実際に筆者はこの体験で、読書だけでなくその先にある読後のコミュニケーションを楽しむことに目が向くようになった。日本でも本に対する新たなアプローチは年々増えており、「梟書茶房」のように題名や装釘を隠し、本の通し番号のみで選ぶことをコンセプトにした書店や、「文喫」のように入場料がかかる代わりに、中で本とじっくり過ごせる工夫がなされている書店も存在する。これからも巣ごもり需要の高まりと共に、新しいサービスが登場することが期待される。読書を楽しむ人がさらに増える未来がくることを、切に願う。

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■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

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