「人生すべて博打だぞ!」「幸福は金で買える」……「こち亀」両津勘吉のタメになる(?)迷言4選

「こち亀」両津勘吉のタメになる迷言4選

「えらいやつってのは始めからワルなんかにならねえの!」

『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(42巻)

 部長とともに派出所に現れた悪そうな男。それは「まさし」という人物で、姿を見た両津は「どうしたんすか部長、またそいつ万引きでもしたんですか?」と質問する。すると部長は「今年の夏からちゃんと社会人になったんだ」「更生して悪いことせず真面目になったんだなあ」と褒める。

 麗子や中川も褒め称えるが両津は「こいつのどこが偉いんだ」「偉いやつってのは始めからワルにならないっての。正直で正しい人間が偉いに決まっているだろ」「こいつなんかわがままで、勉強もしないで、やりたいことやって、それが普通に戻っただけだぞ」と説く。

 ひねくれていると反論する部長だが、「こいつに金とられた真面目な学生やバイク取られた人のほうが悲惨でしょう。『正直者が馬鹿を見る』の手本を示している。こいつのどこが立派なんですか」「同じ年で新聞配達など頑張っている人のほうが立派でしょうが」と力説した。(42巻)

 この発言後、男が就職した会社を上司と喧嘩して辞めていたことが発覚。それを受けて両津が紹介した仕事も、なんかやんやと理由をつけて辞めてしまった。もちろん現実には更生してしっかりと働く人もいるのだが、犯罪に手を染める、グレるなどした過去から更生した人間を「立派」と称賛し、ずっと真面目に生きている人がないがしろにされている傾向はあるかもしれない。

 漫画のようなケースは現実にも散見されるだけに、両津の発言は当を得たものといえるだろう。

「人生すべて博打だぞ!」 

 ファミコンの野球ゲームで190キロの速球をホームランされ激怒し、徹夜で手に入れたカセットを踏み潰して壊した両津。派出所に子供を呼び寄せると、おもむろに競馬新聞を読み、予想を始める。

 場外馬券場に制服でいたところ、その姿を撮影されてしまったそうで、馬券を子供に買いに行かせようとする両津。中川は「この子たちに買わせる気ですか?」と憤り、麗子も「ひどいわね、子供たちにそんなことをさせるなんて」「ギャンブルに子供を巻き込むのは良くないわ」と苦言を呈す。

 発言に怒った両津は「なんだと!ギャンブルのどこが悪い」と一喝。そして、「入試 就職 結婚 みんなギャンブルみたいなもんだろ! 人生すべて博打だぞ!」と吠える。説得力があるようにも思えたが、麗子は「そう思って無計画に生きているのは両ちゃんだけよ」中川も「みんなはギャンブルと思ってませんよ」と真っ向から否定されてしまった。(60巻)

 かなり極論ではあるが、人生のなかでギャンブル的な選択を迫られることもある。両津の持論もあながち間違いとは言い切れないはずだ。

迷言?も『こち亀』の魅力

 『こち亀』の魅力は様々なものがあるが、その1つに両津の名言がある。「迷言」にもなりうるものだが、生きるうえで良くも悪くも参考になるものばかり。もう一度、確認してみると、新たな世界が見えてくるかもしれない。

 

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