ポルシェを歯で支え、月を開拓し、新種の抗体を持つ男……「こち亀」両津勘吉が見せた“異次元の強さ”
月を開拓
正月休みを早めにとって月に行くことになった両津。水道橋博士とともに風呂屋の煙突からロケットに乗り、月に到着する。
両津は月の地面を掘り、ダイヤを集めて回る。ロケットが地球に帰る時間になっても収集に夢中になり、なんと月に置いていかれてしまう。「どうやって帰ればいいんだ」と途方に暮れる両津だが、「後のことはゆっくり考えよう」と発掘に精を出す。
発掘に飽きた両津はコンビニエンスストアを探す。するとアポロ計画で使った月面車と食料を発見。さらには着陸船や酸素維持装置も見つける。両津は地球に帰ろうとするが、大気圏で焼失してしまう可能性もあることから、「無理して帰るより月で暮らす」「ワシが月の住民第一号として所有する」と、月に「両津不動産」と書き込み、開拓をスタートさせた。
数カ月にわたり開拓した両津。そこには地球のような町並みができあがっていた。月を探索に来た日本人が来ると先住民族として脅し、開拓を手伝わせる。月を自分のものにした両津をテレビ中継で見た中川は「月を独立国にして大王になりかねないな、恐ろしい」とつぶやいた。
月を開拓し、手中に収めた両津だが、次の回では何食わぬ顔で派出所に戻っている。月で生き抜き、その後地球に帰還した奇跡の人物なのだ。(58巻)
リョーツGPX型ワクチン
配管の上に寝ていた両津は、誤って川に転落してしまう。さらに財布がないことに気が付き、もう一度川へとダイブ。
その後、ゴルフ場の除草剤が川に流出していたことが判明し、気分が悪くなった両津は病院に運ばれる。検査すると、両津の体内にバイキンの形をした新種の抗体があることが判明。それはウイルスを一瞬にしてやっつけてしまうもので、「ものすごい恒常性維持機能だ!」と医者たちは驚きの声をあげる。
医師たちはここから風邪の特効薬を作ろうと動く。抗体を「リョーツGPX型ワクチン」と名付け、両津を一流ホテルのスイートルームに移し、隔離する。中川は「子供の頃犬の糞を勇気だめしに食べたことがあると言ってました」と、その強さを分析した。
人類の救世主となり、警察の階級も5階級昇進となるなど、すっかり天狗になった両津。ところが研究を進めるとリョーツGPX型ワクチンはあまりにも刺激が強いため、頑強でタフな人間にしか使えないことが判明。ワクチンとしては失格の烙印を押され、一気に各方面から叩かれてしまった(70巻)
豊富な話題で読者を引きつける
先見性、感動、名言、そして破天荒な振る舞い。1つの作品でありながら、様々な要素を持つ「こち亀」。そんな豊富なストーリーが長きにわたり人々に愛されてきた大きな理由なのかもしれない。