鈴木亮平が語る、世界遺産への愛と妄想 「一緒にロマンを夢見よう!」
行きたい場所は山ほど。でも第二弾を出すならまた妄想で
――“時代”に行ってしまいたいんですね。
鈴木:世界遺産にもなってるウルクという都市があるんですが、そこで人々がどういう生活をしていたのか、気になります。あとはこの本でも紹介している「サマルカンド」。ティムールというウズベキスタンの基礎を作った武将が大好きなんです。そのティムールが建てたサマルカンドブルーのタイル! 僕はイスラムのアートが大好きなんですが、なかでもこのレギスタン広場はかなりの最高傑作ですね。行きたい! ここの空間に立って文化を感じたい! それで「やっぱり実際に来たほうがいいよな~」ってやりたいですね(笑)。いえ、もちろんもう本当に行った気にはなってるんですが。偶像崇拝が許されないからこそ生まれた、イスラムのこの幾何学模様のタイル装飾の素晴らしさを体感したい! あと、本書には入れられなかったのですが、イランのペルシャのイマーム広場も素晴らしい。
――止まりませんね。今度は実際にひとつひとつ足を運んだ上で新たな本を出すのは?
鈴木:それもいいんですけどね。僕の中ではもう行った気になっているので、行ったところはもう書けないんです。
――書けない?
鈴木:書けないというか、人にプレゼンできなくなっちゃうんです。熱が少し下がってしまって。本当に行くと、満足して自分の思い出の中に閉まっちゃうんです。だから万が一第二弾をやるなら、また妄想がいいですね。読んでくれる人と一緒に、まだ見ぬところを旅したいんです。「すごいよね、行ってみたいよね。俺も行ってみたい。一緒に行こう!」と、一緒にロマンを夢見たいんです。
世界の素晴らしい場所を知って、一緒に感動して
――本当に熱量がすごいですが、鈴木さんはいろんなところにアンテナを張ってらっしゃいますよね。それは子供のころからですか?
鈴木:いえ、僕、今でも興味のある分野って狭いんですよ。自分が興味あるところ以外は全く知らないです。たとえば食べ物。僕、おしゃれな店とかおしゃれな食べ物とか、全然知りません。だからハイカラな料理とか言われても全然。「ダッカルビ??」みたいな(笑)。
――どこかに鈴木さんのアンテナにひっかかるものがないとダメなんですね。
鈴木:たとえばこの料理はこの街で生まれて、こういう背景がとか。
――なるほど! この隠し味には古代の云々となっていくと。
鈴木:そう! 普通に、「この隠し味の香りが~」とか「とにかくおいしいから」とか言われても、響かないんですよね。でも「この隠し味の香辛料を手に入れるために、ポルトガルの商人がこれだけの旅をして……」とかなってくると、俄然楽しくなってくる。だから普段、興味のある分野は限られてるんです。
――想像力が鈴木さんの好奇心の源なんですね。最後に一言。読者へメッセージをお願いします。
鈴木:妄想旅行記という、いまだかつてなかった書籍を書きました。どういう楽しみ方をしていただけるのかも、きっと人それぞれだと思います。僕が大好きな、厳選された世界遺産をプレゼンするつもりで書きました。一緒に、「世界にはこんなに素晴らしい場所があるんだ」と驚きながら、感動していただけたらと思っています。
■書籍情報
著者:鈴木亮平
出版社:ワニブックス
定価:1600円+税
特設サイト:https://www.wani.co.jp/special/suzukiryohei/