影山、宮侑、及川、赤葦、白布、研磨……『ハイキュー!!』の司令塔たちの個性
生粋のゲーマー 音駒・孤爪
スポーツしているよりはゲームをしていたいという生粋のゲーマー孤爪研磨。実際、チームメイトに比べると体力もないし、運動能力が優れているというわけでもない。チーム全体が、孤爪のそうした部分を補うわけだが、それだけ音駒にとってセッターが重要だということだろう。「過保護上等! セッターを動かせねぇのが音駒品質だ」とは音駒リベロの夜久のセリフ。
研磨を走らせて体力を削ろうという相手の作戦にも対応し、勝利を掴んで見せる。そんな研磨自身も、自分が強いわけではないが、チームのみんなは強い、と言っている。
バレーを続ける理由もないけど、やめる理由もない。研磨がバレーを続ける理由は「トモダチ」である黒尾の存在、そして、常に目の前に「攻略対象」がいるからだ。ゲームもバレーも慣れていけばやがて勝つ“方法”が見つかる。研磨にとっては同じなのだ。
実際に、コートの中で相手チームを分析し、把握する能力はズバ抜けている。勝つ方法はいくつも考えているし、「これがダメならこっち」と切り変えも早い。でも、同時に攻略してしまうことに対する寂しさも感じている。
烏野vs音駒戦で、孤爪は日向を攻略して見せるが、「面白い翔陽が終っちゃうのは悲しい」と言っている。強い相手と戦っているときは、バレーでもゲームでも楽しいが、攻略できた瞬間、そのゲームは終わってしまうから。どこまでも「生粋のゲーマー」である。
誰よりもチームメイトを信頼しているセッター
洞察力と観察力。チームメイキング力と正確なセットアップ。そして何よりチームメイトを信頼する力。多くのものを求められるセッターは、技術がなければ務まらない。。
稲荷崎高校の宮治は「セッターは一番上手い奴がやるクールなポジションなんやで」と言っていたが、個性派揃いのチームメイトたちに信頼され、ゲームメイクをするには、チームの誰よりも個性的である必要があるのかもしれない。
(文=ふくだりょうこ(@pukuryo))
■書籍情報
著者:古舘春一
出版社:株式会社 集英社
https://www.shonenjump.com/j/rensai/haikyu.html