阪神・淡路大震災から25年、漫画家・高橋しんが『いいひと。』無償公開 「小さな一歩一歩を、重ねさせて頂ければ」
『最終兵器彼女』(小学館)などの作品で知られる漫画家の高橋しんが、1月17日の阪神・淡路大震災の節目に合わせて「いいひと。+…and I still remember.~これから。」を無償公開した。
同作は『いいひと。』(小学館)の中の阪神・淡路大震災をテーマに描いた章をまとめたもの。東日本大震災が起きた直後の2011年3月26日から、「東日本大震災への精神的な支援に、もしもなるならと思い」と発売元の小学館の特別の配慮もあり期間限定で無償公開されていた。その後も震災の節目ごとにたびたび公開され、これまで95回の無償公開が行われていた。
高橋は自身のウェブサイトで「漫画を取り巻く環境が必ずしも良い方向には進んでいない時ですが、漫画家の先輩達が血のにじむ思いをして開いて下さった『こんな時にでも誰かに勇気をわける事が出来る、信じる』という、漫画が持ち得る道を途絶えさせぬよう、私の小さな一歩一歩を、重ねさせて頂ければと思います。」と綴っている。
また、震災当時者だけでなく、被害自体を受けていなくても傷ついたと感じる人に向けて描いたとのこと。地震の描写がないように配慮したが、連想されるシーンがあることから、PTSDの症状がある場合は読まないようにと注意喚起されている。
阪神・淡路大震災は1995(平成7)年1月17日の早朝5時46分52秒に発生。兵庫県の淡路島北部を震源とし、神戸と洲本で震度6を観測。6434人が亡くなり、約25万棟の住宅が全半壊した。戦後初の大都市直下型地震で甚大な被害をもたらした。
高橋は「もし漫画が好きなお友達で、日常の中震災の事が忘れられて行く、忘れて行く事に心が傷ついている方がいらっしゃいましたら、よろしければまわして頂けますか?小さな力の漫画家で申し訳ないのですが。」と自身のTwitter(@sinpre)で呼びかけている。
同作は高橋のウェブサイト「しんプレ!」(http://sinpre.com/wp/2020/01/11/eq95/)にてダウンロードできる。