UNISON SQUARE GARDENが覆した3ピースバンドの常識 時代の先を進み続けた“美しき共同体”、語り継ぐべき足跡
時代がようやく追いついた――UNISON SQUARE GARDENの凄まじい先鋭性
UNISON SQUARE GARDENが後続のバンド、ひいては邦楽ロックシーンにもたらした影響は計り知れない。今や高密度の音楽は珍しくなく、むしろそれこそが、“2020年代的な音楽”を定義する特徴の一つになっている。その背景にはボーカロイド文化の存在があるわけだが、それと同時に、生身の3ピースバンドとして最高到達点を常に更新し続けたUNISON SQUARE GARDENの存在もまた、決定的な一要素だったのではないか――というのが筆者の持論だ。
UNISON SQUARE GARDENの音楽の特異性を考える上で、興味深いキーワードがある。2023年にSpotifyのグローバルプレイリストから広まった“Gacha Pop”という概念だ。これは固有の音楽ジャンルを指す言葉ではない。Spotify・芦澤紀子氏によると、日本発のカプセルトイ(=ガチャガチャ)から着想を得て、「おもちゃ箱をひっくり返したような、何が飛び出すかわからないポップで雑多な楽しさ」を表現したネーミングだという(※)。
彼らは、この言葉が発明されるよりも前から、まさに“Gacha Pop”的なものを体現していたバンドだと思う。3ピースというミニマムな器の中に、先述の音楽的要素を惜しみなく詰め込むことで、次の瞬間、何が飛び出すか予測できない楽しさを生み出した。ロックバンドとしての骨格を保ちながら、随所にアニソン的語彙や音ゲー的快楽を織り交ぜた、その雑多さもまた然りだ。そんなスリリングでエンターテイニングなポップスを、彼らは22年にわたり鳴らし続けたのだ。2026年現在、キャリア20年超の彼らの音楽が古びるどころか、ますます支持され続けている理由はここにある。彼らが時代に歩み寄ったのではない。時代がようやく彼らに追いついたのだ。
現体制の終了と活動休止という報せを受けて、今、多くのリスナーが喪失感の中にいると思う。人は割り切れない感情を抱えると、どうしても過去へ遡り、「今思えば」という形でネガティブな辻褄合わせをしてしまいがちだ。しかし、そういった行為によって、彼らの音楽から受け取った感動や感謝の感情が濁ってしまうなら、それはあまりにもったいないことだ。ステージ上で火花を散らしながら、誰にも上れない高みへと駆けていく3人の姿に美しさを見たあの日の記憶。その記憶を自分の生活へ持ち帰り、背筋を伸ばした日々の足跡。そういったものを、私はこの先も手放したくない。
彼らは7月15日に節目を迎えるが、これからも私はUNISON SQUARE GARDENの話をし続けたい。「あの曲はやっぱり最高だ」「あの日のライブは伝説だった」という話をしながら、誰かと笑い合いたい。そしてこの記事が、誰かにとって眩しい記憶を抱きしめ直す一つのきっかけになれば、これ以上の喜びはない。
(※) https://natalie.mu/music/column/528774


























