UNISON SQUARE GARDENが覆した3ピースバンドの常識 時代の先を進み続けた“美しき共同体”、語り継ぐべき足跡
4月27日、UNISON SQUARE GARDENからの発表を受けてから、一日の中でふと手が止まり、ぼんやりしてしまう瞬間が増えた。鈴木貴雄(Dr)が、7月15日に開催されるワンマンライブ『UNISON SQUARE GARDEN LIVE 2026「Sentimental Period」』を最後にバンドを脱退。それに伴い、バンドは現体制の活動を終了させ、活動休止期間に入るという。
この3人だから生み出せた、独自の熱狂と画期的な音楽性
2004年の結成以来、UNISON SQUARE GARDENは斎藤宏介(Vo/Gt)、田淵智也(Ba)、鈴木貴雄という編成で活動を続けてきた。2008年のメジャーデビューから現在までに、シングルを21枚、オリジナルアルバムを9枚発表。2011年リリースの「オリオンをなぞる」(テレビアニメ『TIGER & BUNNY』オープニングテーマ)、2015年リリースの「シュガーソングとビターステップ」(テレビアニメ『血界戦線』エンディングテーマ)、2022年リリースの「カオスが極まる」(TVアニメ『ブルーロック』オープニング主題歌)はなかでも広く知られている。結成20周年を迎えた2024年には、一年を通して様々な企画が展開された。特に、結成日の7月24日から3日間にわたって開催された日本武道館公演は、多くのファンの心に美しい光景として残っていることだろう。
個人的な感覚を述べると、今はまだ、UNISON SQUARE GARDENが斎藤、田淵、鈴木の3ピースバンドではなくなる未来を想像できない。なぜなら、彼らのアンサンブルは“歌と伴奏”の関係ではなく、それぞれの個性をぶつけ合いながら――しかし奇跡的な均衡の上に成り立っていたからだ。
田淵の書くメロディを颯爽と歌い上げながらも、純然たるギタリストとしてスキルフルなアプローチを繰り出す斎藤。コンポーザーゆえにメロディの流れに対しても、和声という音の重なりに対しても鋭敏な感覚を持ち、楽曲に高揚感をもたらすベースラインを奏でる田淵。アグレッシブかつテクニカルなプレイで、聴き手を肉体的にも精神的にも踊らせる、バンドの華であり熱源である鈴木。ボーカルのメロディを軸に据えた彼らの音楽は、いわゆる“歌モノ”と言えるだろう。しかし歌のために個性を抑えるのではなく、「この歌があるからこそ、己の全力をぶつけ合える」と言わんばかりに、それぞれが野心を剥き出しにしながらアンサンブルを高次元へと引き上げた。そうして彼らは、一人では辿り着けない領域へと向かっていった。別々の個人が同じ目的を持って創作へ向かう“バンド”という共同体の美しさを、彼らはまさに体現していた。
UNISON SQUARE GARDENは、間違いなく3ピースバンドのゲームチェンジャーだったと思う。バンドとして最小限の編成でありながら、彼らが選んだのは引き算の美学ではない。3ピースにしては情報量の多い譜面、時に変拍子を織り込んだ複雑な展開、わずかなズレさえ許されないキメの応酬、ノンダイアトニックコードを緻密に配した和声設計、既存の言葉に新鮮な響きをもたらすメロディ――そのすべてのレイヤーにおいて“密度”が追求されている。3ピースの限界を、音圧ではなく構造のインテリジェンスで突破した点において、画期的であった。作詞作曲を手掛ける田淵が、ロックシーンのみならずアニソンシーンからも強く影響を受けていたこと、そして彼の書いた曲を体現しうるプレイヤビリティを斎藤・鈴木が持ち合わせていたことが、この音楽性に至った要因だと思う。
彼らの音楽が生む快楽は、格闘ゲームの難コマンドが完璧に決まった瞬間のあの高揚感に近い。同時に、この3人でなければ成立しない妙技を目の当たりにした時、私たちは感嘆や興奮、呆然を通り越して、思わず大笑いしてしまう。彼らが本格的に頭角を現した2010年代前半、邦楽ロックシーンではフェスカルチャーの隆盛とともに、初見でもノりやすい4つ打ちのビートが流行した。しかし彼らはその潮流とは全く別の形で、リスナーの熱狂を勝ち取っていた。























