『ウルトラマンティガ』長野博=ダイゴら集結、30周年イベントの感動を徹底レポ! リアルサウンド連載「From Editors」第105回

長野博ら登場『ティガ』30周年イベントレポ

 「From Editors」はリアルサウンド音楽の編集部員が、“最近心を動かされたもの”を取り上げる企画。音楽に限らず、幅広いカルチャーをピックアップしていく。

ダイゴやレナが勢揃い! ファンもキャストも爆発させた『ティガ』への想い

 涙で前が見えなくなるとはまさにこんな瞬間のことを言うのでしょう……。

 2026年7月10日にウルトラマンシリーズが生誕60周年を迎え、それを記念するイベント『ウルトラマンの日 in 杉並公会堂』が開催されました。1966年に初めてウルトラマンが公の前に姿を現した“聖地”=杉並公会堂にて、大盛況で幕を閉じた本イベント。中でも特に注目を集めていたのが「ウルトラマンティガ30thプレミアムステージ」です。

 放送開始から今年で30周年を迎える、特撮史に燦然と輝く傑作『ウルトラマンティガ』(1996年)。イベントでは、キャストの高樹澪さん(イルマ・メグミ役)、大滝明利さん(ムナカタ・セイイチ役)、吉本多香美さん(ヤナセ・レナ役)、そして、長野博さん(マドカ・ダイゴ役)が集うということで、発表された瞬間からとても大きな反響を呼んでいました。筆者も『ティガ』直撃世代なので、もちろん大興奮。何度号泣したかわからないですが……現場で目撃した一部始終をレポートしていきたいと思います!

ウルトラマンティガ30thプレミアムステージ

 まず『ウルトラマンティガ』を少しだけ振り返っておきましょう。『ウルトラマン80』以来16年ぶりにTV放送されたシリーズで、従来の昭和ウルトラマンのように“M78星雲からやってきた”のではなく、“3000万年の時を超えて現代に復活した超古代の戦士”という設定へと一新され、鮮烈なインパクトを与えました。3つのタイプに変化して戦うスマートかつシンプルなティガのデザインは30年経った今見ても全く古びないですし、オープニングテーマとなったV6「TAKE ME HIGHER」は物語と絶妙なリンクを見せる、特撮ファンにとっての神曲です。加えて、今なお『ティガ』が不動の人気を誇っている大きな理由は、防衛チーム GUTSの隊員たちの魅力と、監督や脚本家たちの個性が遺憾なく発揮された、バラエティ豊かにして芯の強いストーリーの面白さにあります。7名の隊員たち一人ひとりがここまで主役級の存在感を放っている作品も珍しいですし、彼らのキャラクター性を活かして、時にシリアスに、時にミステリアスに、時にコメディチックに、時にファンタジックに展開していく作家性の高い物語、“光”をキーワードにして人間の可能性を照らし出すようなメッセージ、さらにはダイゴとレナの徐々に親密になっていく関係性の行方……など、全52話を通してとにかく見どころ満載なのです。

ウルトラマンティガ30thプレミアムステージ
ウルトラマンティガ(©円谷プロ)

 ちなみに先日、お笑いコンビ・宮下草薙の宮下兼史鷹さんと一緒に『ティガ』の魅力を語り合った動画も公開中です。「怪獣が出てきた日」(第5話)、「うたかたの…」(第28話)、「影を継ぐもの」(第44話)、「輝けるものたちへ」(第52話)などの神回をピックアップしながら、熱く、熱く、盛り上がりました。本当は1話ごとに思い入れと見どころを書き出したいくらいですが、何文字あっても足りないのでいったん割愛。皆さん、ぜひ観てみてください!

『ウルトラマン』結局何がスゴい?(前編) お笑いコンビ・宮下草薙の宮下兼史鷹が熱弁トーク!

 さて、7月10日の「ウルトラマンティガ30thプレミアムステージ」に話を戻しましょう。会場に入ると、お気に入りのフィギュアを持ってきたり、GUTSの隊員服を身に纏ったりしたファンの方々で非常に賑わっていました。子供の頃に『ティガ』に魅了されたであろう筆者と同世代の方から、往年のウルトラファンの方、もちろん子供たちもたくさん。女性ファンの多さにも改めて驚かされました。みんながウルトラマンにまつわる思い出を楽しそうに語り合っていて、とても素敵な雰囲気。また、フィギュアやカードゲームなどのウルトラマングッズが所狭しと並んでいるほか、カフェでは『ウルトラマン』『ウルトラマンティガ』『ウルトラマンテオ』とのコラボドリンクも販売されていて長蛇の列が。『ティガ』の30周年を記念した最新グッズもいろいろ販売されていて、Tシャツやフィギュアはとりわけ人気のようでした。何よりたまらなかったのは、この日登壇する4名が着用していたGUTSの隊員服が飾られていたことでしょう。これを見れただけでも来た甲斐がありました!

ウルトラマンティガ30thプレミアムステージ
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ウルトラマンティガ30thプレミアムステージ

ウルトラマンティガ30thプレミアムステージ

 さあ、待ちに待ったイベントの開演です。熱気に満ちた会場が暗転し、桜井浩子さん(『ウルトラマン』フジ・アキコ役)と岩崎碧さん(『ウルトラマンテオ』光石イブキ役)の口上に続いて、後方からスカイタイプとパワータイプ、前方のステージにマルチタイプのウルトラマンティガが登場しました。そして、V6「TAKE ME HIGHER」が流れ始めると、ついにキャストの4名がステージに姿を現します。大滝明利さん、高樹澪さん、吉本多香美さん、そして、長野博さん。割れんばかりの拍手と大歓声が地鳴りのように沸き立ちました!

ウルトラマンティガ30thプレミアムステージ
©円谷プロ
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岩崎碧(『ウルトラマンテオ』光石イブキ役/©円谷プロ)

 まずは挨拶。主人公・ダイゴ役の長野さん曰く、この4名が集うのは劇場版『ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY』(2000年)以来、26年ぶりとのこと。イルマ役の高樹さんが「長野さん老けないねえ」と思わず漏らして、長野さんが「疲れが取れにくいとか、ありますよ(笑)」と答えて笑いを誘います。さらに、シングルマザーにしてシリーズ初の女性隊長だったイルマという役どころについて、高樹さんが「イルマを超える人はいないと思います!」と断言してみせたり、レナ役の吉本さんが「(26年の間ずっと)みんなの中にダイゴはいたよね!?」と語りかけて冒頭から涙を流すなど、皆さん各々がこの場に集った感慨を言葉にしていきます。本当にGUTSが、ダイゴが、戻ってきたんだ……客席には感動のあまり早くも涙を流す方々も多数。言うまでもなく、筆者もその一人でした。

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長野博(マドカ・ダイゴ役/©円谷プロ)

 最初のトークテーマは「光を継ぐものたちの日々」。名シーンの数々を実際にその場で観返しながら、撮影当時の思い出を振り返っていきます。まずは第1話「光を継ぐもの」。ダイゴがティガになる記念すべきシーンです。ここでムナカタ役の大滝さんが1枚の紙を取り出します。なんと、30年前の7月1日、第1話撮影時のキャストの香盤表。「よく取ってありますね!」と長野さんも思わず驚きの表情を見せました。シーン30〜33が撮影されたけどやむなくカットされたこと、近くの民家で隊員服に着替えさせてもらったことなど、山梨県道志村での第1話撮影の貴重な秘話が続々と語られていきます。そんな大滝さんはあまりに気さくな性格ゆえ、役柄のムナカタとギャップがあったことから「“ニセ”ムナカタ」と現場でいじられていたのだとか。

ウルトラマンティガ30thプレミアムステージ
大滝明利(ムナカタ・セイイチ役/©円谷プロ)

 驚いたのは第15話「幻の疾走」についての秘話でした。この回のダイゴは墜落の衝撃で手を骨折しているという設定なのですが、なんと当時、長野さんは本当に骨折していたのだそうです。V6のライブ中、「TAKE ME HIGHER」の振り付けのバク転で手をついた際に骨折してしまい、それがそのまま『ティガ』の劇中に活かされ、変身したあともティガが左手を気にする動作が生まれたのだとか。また、第22話「霧が来る」では真冬の川に流されるシーンが忘れられないと語る長野さん。この日会場に展示されていた隊員服は、実際に川で流されたシーンで使用されたものだそうです。

 桜井浩子さんを交えて劇場版『大決戦!超ウルトラ8兄弟』(2008年)を振り返った際には、初代ウルトラマンに変身するハヤタ・シン役を演じた黒部進さんのエピソードで盛り上がりました。黒部さんは、吉本さんの実の父親。吉本さんが大御所俳優である“父”に対して、「もう少し大きな声で台詞を言ったら?」と、監督でも言えないようなことを撮影現場で指摘していたと桜井さんが暴露し、親子ならではのエピソードに会場は爆笑に包まれました。さらに、桜井さんから「黒部さんは寡黙で、二瓶さん(二瓶正也/イデ・ミツヒロ役)やまむしさん(毒蝮三太夫=石井伊吉/アラシ・ダイスケ役)のダジャレ大会だった」と60年前の『ウルトラマン』にまつわる撮影秘話が明かされたり、『大決戦!超ウルトラ8兄弟』で長野さんが乗っていた自転車が実は『ティガ』カラーになっていたり……とファンにはたまらないエピソードもたっぷり明かされました。

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桜井浩子(『ウルトラマン』フジ・アキコ役/©円谷プロ)

 第25話「悪魔の審判」にフォーカスした際、子供たちとの撮影の中で「人って本当に光なんだ」と実感したと語ったのは高樹さん。『ティガ』屈指の名シーンである第50話「もっと高く! 〜Take Me Higher!〜」でのレナとダイゴのコックピットの会話については、吉本さんが「みんなの気持ちを代弁するシーンですから。“なんで一人で戦うの? 私も光になりたいよ”って」と振り返り、気合いの入るシーンだったことも伝わります。また、最終回である第52話「輝けるものたちへ」のラストシーンの撮影が浦安だったこともあり、そのままキャストでディズニーランドへ行ったそうなのですが、長野さんは直後に別の仕事が入っていて行けなかったということで、30年経った今でも少し悔しそうな表情を浮かべていました。

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