細野晴臣、79歳の誕生日に寄せて 世界を魅了し続ける現役ミュージシャンの凄み、止まらない音楽の旅
本日7月9日は細野晴臣の誕生日だ。今年で79歳を迎えた細野は、はっぴいえんどやYMOなど日本のみならず世界的にも影響を及ぼすバンドで活躍してきた伝説的な存在だが、同時に現役で精力的に活躍するミュージシャンでもある。その衰え知らずの表現の凄みをこの1年の活動を中心に捉えてみたい。
海外公演やコラボレーション、ポップアップストア……幅広く活動した1年
今から1年前、2025年7月に細野はロンドン公演を開催。帰国後、9月には東京・キネマ倶楽部で『Haruomi Hosono – I'm back from London!』を開催し、12月にはZepp Namba(OSAKA)、Zepp Shinjuku(TOKYO)、そして京都市の京セラ美術館でのスペシャル公演を立て続けに行った。バンドメンバーとしてくくく(原田郁子/角銅真実)、シャッポ(福原音/細野悠太)らが参加し、後輩ミュージシャンと洗練されたアンサンブルを繰り広げた。ちなみにシャッポの細野悠太は実孫であり、CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUINのメンバーとしても活躍中。細野のエッセンスは気鋭のアーティストにも継承されている。
細野は国内のみならず海外でも支持されており、2025年の11月には韓国のバンドクルー・Balming Tigerが細野の「熱帯夜」を再解釈した音源をリリース。ソウルのカラーを強め、独自の色気を纏わせた現代的なトラックだが、その根幹は細野のオリジナル音源にある。原曲の揺るぎない音楽性があってこそ成し得た大胆なリアレンジだ。
そして、今年は旧知のミュージシャンとのコラボ曲もリリースしている。3月にはTOWA TEIが2011年のコラボ曲を再構築したクールなダンスナンバー「CLOUD (26.1) [feat. 細野晴臣]」を、5月には矢野顕子が「海男と瑠璃亜 feat. 細野晴臣」をリリースした。「海男と瑠璃亜 feat. 細野晴臣」はユーモラスなデュエットソングで、優しい歌声と細野によるグルーヴィなベースラインが印象的だ。
さらに、この1年はアーカイブ面でも動きが活発だった。また2025年12月から2026年1月にかけては、アナログレコードのポップアップストア『Hosono Record House』を開催し、ディスコグラフィから抜粋した作品にスポットライトを当てた。2024年に始動したデビュー55周年プロジェクトの一環として、デジタルミュージアム『HOSONO MANDALA』も準備されており、今年2月にプレオープンとなったサイトではグラフィックと紐づけられた作品情報を確認できる。正式オープンは夏を予定しているとのこと。まだ見ぬリスナーに向けて、彼の功績を刺激的に届けられるミュージアムになるのではないだろうか。
直近ではライブアルバムのリリースやフェスの出演、9月にアルバムのリリースも
直近のリリースとしては、細野率いるティン・パン・アレーが、1976年5月に横浜・中華街の老舗中華菜館・同發新館で行った伝説的なライブ音源をステレオミックスでレコード化した『HARRY HOSONO & TIN PAN ALLEY IN CHINA TOWN』がある。錚々たる面々による演奏と、細野の洒脱な空気感が記録された充実のライブアルバムだ。
また、6月28日にYMOのメンバーである高橋幸宏が創設したフェス『WORLD HAPPINESS 2026 ~I’m HOME~』へ出演。MCでは「YMOのとき、自分を助けてくれたのは幸宏だった」(※1)という言葉もあったといい、その強固な結びつきが垣間見えた。長いキャリアの中で経てきた別れも数多いはずだが、細野は同志や先人たちの刻んできた音楽を今なお鮮やかに届けているのだ。
Haruomi Hosono sings “Hong Kong Blues” from World Happiness 2026 pic.twitter.com/V8HxxPNMGE
— 細野晴臣 House of Haruomi Hosono (@hosonoharuomi_) July 5, 2026
そして、79歳を迎えたあとには、通算23枚目となるスタジオアルバム『Yours Sincerely』のリリースが9月11日に控えている。母性や慈悲といった人間の深層意識をテーマに孤独や混乱の時代の先にある“調和”を静かに描いた作品と紹介されていることから、壮大で神秘的なテーマが予感される。しかし、タイトルの『Yours Sincerely』には“敬具”や“心を込めて”といった意味があり、親しみやすさや軽やかさも感じられる。本作の国内リリースは、YOASOBIなどを世界へ発信するソニー・ミュージックのマネジメント/レーベル「Echoes」とパートナーシップを組むことが決定。新たなフィールドを開拓しようとする、絶え間ない意欲がそこには根付いている。
アルバムのリリースにあわせて、9月にはニューヨークとロサンゼルスでの公演も決定。ロサンゼルス公演ではToro y Moiをゲストに迎える予定だという。細野の音楽の旅は常に最先端の響きを放ちながらまだまだ続いてゆく。さまざまなジャンルを横断し、自由自在に表現と戯れながら歴史を重ねてきた彼は、今も、そしてこれからも我々を驚かせてくれるのだろう。
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※1:https://www.thefirsttimes.jp/report/0000836830/


























