サザンオールスターズ、稲葉浩志……キャリアアーティストの待望アルバム、“新作”を届ける矜持

 サザンオールスターズが今冬にオリジナルアルバムをリリースすることを発表した。

 サザンとしてのオリジナルアルバムリリースは、2015年3月リリースの『葡萄』以来9年ぶりとなる。収録曲についての詳細はまだ明らかになっていないが、昨年3カ月連続で配信リリースした、サザン2023三部作である「盆ギリ恋歌」「歌えニッポンの空」「Relay~杜の詩」などが収録されるのではないだろうか。また、桑田佳祐のレギュラーラジオ番組『桑田佳祐のやさしい夜遊び』(TOKYO FM/JFN系)では、昨年以降レコーディング状況がたびたび語られており、デビュー前の未発表曲のレコーディングについても示唆されている。さらに、アルバムに先駆けて配信リリースされた新曲「恋のブギウギナイト」は、80年代ディスコと現代のエレクトロニックダンスミュージックが溶け合うことで、過去への回帰と現役性を感じさせる。この曲を聴きながら、デビュー46年目の大ベテランによる久々のオリジナルアルバムに想いを馳せたい。

サザンオールスターズ、続くー ▶︎▶︎ 9年振り16枚目のオリジナル・アルバム発表!! /「恋のブギウギナイト」配信リリース!! / ROCK IN JAPAN FES.出演決定!! [Teaser]

 ベテランミュージシャンによる久々のアルバムと言えば、6月26日にニューアルバム『只者』をリリースした稲葉浩志の名前も浮かぶ。6月8日から計6日間にわたり、東京・Zepp Haneda(TOKYO)でレジデンシー公演『Koshi Inaba LIVE 2024 ~en-Zepp~』を開催するなど、今年はソロとしても精力的に活動している稲葉。ソロ名義でのオリジナルアルバムとしては『Singing Bird』以来10年ぶりのリリースとなった『只者』は、彼がひとりの人間として感じた苦悩や葛藤が、飾らない言葉で紡がれている。稲葉らしいバンドサウンドのダイナミズムはそのままに、ソロならではの軽やかなサウンドアレンジや一層洗練されたメロディが飾らない歌詞に色を添える。収録曲の中にはコロナ禍や現在の社会情勢を踏まえて制作された楽曲も多く、思わずハッとされる歌詞やフレーズがアルバムの至る箇所に散りばめられている。B'zとしてだけでなく、ソロとしても数々の名曲・名演を重ねてきた稲葉浩志の音楽家としての矜持を感じる一作と言えるだろう。

 TM NETWORKは、昨年6月に約9年ぶりとなるアルバム『DEVOTION』をリリース。デビュー40周年を記念してリリースされたこのアルバムは、過去曲のリミックスやライブでのみ演奏されていた楽曲を中心に、書き下ろしの新曲も盛り込まれた全11曲で構成されている。「Get Wild」をはじめとしたTM NETWORKの金字塔的な楽曲ともリンクする”TM NETWORKの色”はそのままに、現在のEDMやハウスの要素を取り入れたTM NETWORKの現役性を感じさせる作品となっている。今年はホールツアー『TM NETWORK 40th FANKS intelligence Days ~STAND 3 FINAL~』、そしてアリーナツアー『TM NETWORK 40th FANKS intelligence Days ~YONMARU~』の2本のツアーを完走したTM NETWORK。アリーナツアー最終公演には盟友であるB'z・松本孝弘も登場し、TM NETWORKの40周年を盛大に祝した。

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