[Alexandros]が貫く全員でグルーヴを作り上げるスタンス 歴代ドラマーを通して15年を振り返る
[Alexandros]がデビュー15周年を記念したライブ『[Alexandros] 15th Anniversary VIP PARTY '25』を12月13日と14日に、東京・TOYOTA ARENA TOKYOで開催する。
[Alexandros] の歴史を築いたドラマーの功績
『VIP PARTY』は、[Alexandros]が節目のタイミングで開催してきた“ファン感謝祭”的なライブ。開催発表と同時に公開された告知映像には、初代ドラマーの石川博基と、2代目ドラマーの庄村聡泰の姿があった(※1)。映像は「…AND WITH SPECIAL GUEST…?」というフレーズで締めくくられており、ファンの間では「まさか2人がゲスト?」「ドラマー全員集合ってこと?」と話題に。もしも本当に歴代ドラマーが一堂に会するのならば、極めて貴重な機会となる。
アマチュア時代を支え、1stアルバム『Where's My Potato?』をともに作り上げた石川博基。石川がバンドを離れたあとの2010年に加入し、局所性ジストニア発症のため、惜しまれながらも勇退した庄村聡泰。約2年のサポート期間を経て2021年に正式加入し、バンドを新たな高みへ導いたリアド偉武。[Alexandros]は結成から現在までに3名のドラマーを迎え入れた。そもそも彼らは、ドラムを非常に重視するバンドだ。それは川上洋平(Vo/Gt)が、全パートをパーカッシブに捉え、フレーズを配置するタイプのコンポーザーだから。リズムパターンから楽曲が生まれるケースも多く、ドラムはリフや歌の音節に呼応する。磯部寛之(Ba/Cho)と白井眞輝(Gt)もリズムの重要性を理解し、ドラムに耳を傾け、時に意見を出しながら、全員でひとつのグルーヴを作り上げている。
リズムの在り方は、バンドの在り方と密接に結びついている。この記事では、3名のドラマーの特色を紐解きながら、[Alexandros]の15年の歩みを振り返りたい。
[Alexandros]の礎となった石川博基のドラム
初代ドラマーの石川博基は、当時発展途上にあったバンドが原型を確立するのに貢献した。アマチュア時代の[Alexandros]は、ライブハウスやストリートで演奏しながらバンドの方向性を模索。そんななか、川上が生み出した1stアルバム『Where's My Potato?』のリード曲「For Freedom」(2010年)が現状打破のきっかけとなった。「For Freedom」のイントロのリズムはかなり変則的だ。シンバル4カウントから始まるが、4拍子で数えていると2小節目で早くも辻褄が合わなくなる。テンポや拍子の概念を度外視したリズムだ。
型にはまらない音楽は、当時メンバーが抱えていた言葉にならないフラストレーションの受け皿となり、この曲を機に[Alexandros]は自分たちの道を見出した。『Where's My Potato?』を改めて聴くと、「For Freedom」のほかにも、唐突なテンポアップとともに退職金をもらえなかった川上がブチギレる「Don't Fuck With Yoohei Kawakami」など、メトロノームより感情が先に走る曲が多い。これらの楽曲を成立させたのが、石川のドラムだった。自分の存在を強く主張するタイプではないが、楽曲が求めるものには確実に応える。その堅実さが、変則的なリズムの楽曲に軸を与えたのだろう。[Alexandros]はアリーナ規模のライブ会場でもクリックを使わない。現在にも受け継がれているリズムの緩急で生身のグルーヴを作り上げるスタイルの原型は、石川とともに作られたのだ。
![星野源、King Gnu、[Alexandros]、優里、Kis-My-Ft2、IVE……注目新譜6作をレビュー](/wp-content/uploads/2025/04/20250424-hoshino-99-702x395.jpg)

![Mrs. GREEN APPLE、Ado、aiko、女王蜂、[Alexandros]、IMP.……注目新譜6作をレビュー](/wp-content/uploads/2025/04/20250410-new-99-702x395.jpg)
![米津玄師、YOASOBI、[Alexandros]、NOMELON NOLEMON……令和ガンダムシリーズを彩る楽曲たち](/wp-content/uploads/2025/02/20250210-yonedu-99-702x395.jpg)












![[Alexandros]が貫く全員でグルーヴを作り上げるスタンス 歴代ドラマーを通して15年を振り返る](/wp-content/uploads/2025/12/20251210-alexandros-99-702x395.jpeg)






