ILLIT、女の子の夢を体現する唯一無二の世界観 日本初ファンコンで見せたポテンシャルの高さ、芸術のすべて

ILLIT、日本初ファンコンレポ

 ILLITが日本で初のファンコンサート『2025 ILLIT GLITTER DAY IN JAPAN』を横浜・大阪の2都市4公演で実現。ヒット曲の披露はもちろん、驚きのカバーやメンバーのソロパフォーマンス、サプライズゲスト、さらに新曲初披露など盛りだくさんな内容で、ついに実現した日本のGLITTとのハッピーな時間を大いに盛り上げてくれた。本稿では、8月10日のぴあアリーナMM公演をレポートする。

ILLIT (P)&(C) BELIFT LAB Inc.

 オープニングには学校生活をテーマにしたファンタジックな映像が流れ、メンバー5人がフィーチャーされると、場内の興奮はすでに最高潮。ステージが明るくなり、教室を模したセットにあのミュージカル風のイントロが流れ、そこにメンバーが現れると悲鳴にも近い大歓声が起こる。そして、掛け声のなか「Billyeoon Goyangi (Do the Dance)」でスタート。バースのウィスパー、歯切れのいいサビを軽快に歌いこなし、ポジティブなファンタジーをダンスで表現するILLITの個性が爆発する。続く「Tick-Tack」のゲームミュージックのようなイントロにもGLLITは大歓喜。掛け声やシンガロングがステージとフロアを高め合っていく。

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YUNAH
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MINJU
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MOKA

 日本で初めてのファンミーティングを待望していたことを各々が感激した口調で伝えてくれたあとは“特別授業”と題したトークコーナーへ。スクリーンに映し出される絵文字やグラフィックから、アーティストと曲名を答えて実際にダンスパフォーマンスするこのコーナーはメンバーの個性が垣間見えるのと同時にK-POP好きは思わず前のめりになる趣向だ。IROHAは、SEVENTEENの「THUNDER」とMEOVVの「HANDS UP」、WONHEEはHANAの「ROSE」、MOKAはJ-HOPE(BTS)の「Killin' It Girl (feat. GloRilla)」をそれぞれ正解。1問、自分たちの「Magnetic」はコレオフラフのシルエットが難しい切り抜きで、なかなか正解が出ないという展開に。しかし、それによってむしろ盛り上がりを見せ、最終的にYUNAHが回答。愛嬌たっぷりの「Magnetic」を披露してくれた。

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WONHEE
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IROHA

 このコーナーの最後には“プレゼントありのスペシャル問題”として、乃紫(noa)の「全方向美少女」が出題され、なんとサプライズで乃紫(noa)本人が登場。サバイバル番組『R U Next?』から応援していたという彼女が、この日から配信がスタートした新曲「Topping」のトップラインの作詞曲を担当したつながりでのサプライズ登場だったのだ。その流れで乃紫(noa)とともに披露。初デートの日の心情を描いた新鮮な4つ打ちポップチューンをフロアに近いミニステージで初披露してくれた。

 衣装替えをした5人を待つGLLITを驚かせたのは、「Lucky Girl Syndrome」のイントロとともにフロアから二手に分かれてメンバーが登場するというサプライズ。直接のコミュニケーションを取りながらもファンタジックなこの曲を歌うスキルにも驚かされる。IROHAは「直接見るGLLITのキラキラした目がかわいかったです」と、リアルな感想を話してくれた。

ILLIT (P)&(C) BELIFT LAB Inc.

 続いては“LUCKY ILLIT SYNDROME”と題したお悩み相談に、ソロパフォーマンスでエールを贈るコーナー。「大好きな先輩と趣味が合わなかったことにがっかり」というお悩みには、YUNAHがあいみょんの「君はロックを聴かない」をパワフルなボーカルで届けたほか、IROHAがE-girlsの「DANCE WITH ME NOW!」を切れ味鋭いダンスとともに披露したり、WONHEEがなんと松浦亜弥の「♡桃色片想い♡」を歌うなど、それぞれのキャラクターをカバーで見せてくれた。コーナーが終わると、スタンドマイクのパフォーマンスで繊細な歌唱を聴かせる「little monster」を届けた。

再びストーリー仕立ての映像が流れたあと、3度目の衣装替えを行ったメンバーがドリームポップテイストの「My World」、そしてひときわ大きな歓声が上がった「Magnetic」を披露する。特大の掛け声とシンガロングで5人を盛り上げ、メンバーもGLLITに歌を委ねる部分も多い。まさにアンセムだ。曲中にはグリーンメタルのテープも発射され、場内のグルーヴは最高潮に。一体感に感銘したMINJUが「ライトスティックでウェーブしてみましょうか!」と提案し、きれいなウェーブが実現。4階席までびっしり埋まったGLLITの熱量がステージにも伝わった。

ILLIT (P)&(C) BELIFT LAB Inc.

 日本のGLLITとの時間を楽しむために盛りだくさんのメニューを考えてきてくれたメンバーたち。そのなかでも会場が驚きに包まれたのが、TWICEの「What is Love?」のカバーだ。前フリとしてWONHEEが「愛って何でしょうね?」と問いかけたあたりで、イントロが重なると歓喜の声が上がり、メンバーラップやダンスも見事に昇華したパフォーマンスを見せた。テンションが上がったところで、ミニステージに移動しながらILLITのレパートリーのなかではパワフルでバウンシーな「oops!」で音楽的なレンジの広さを見せ、本編ラストは「jellyous」。ガーリーなイメージとタフなビートが共存するこの曲をダイナミックで息の合ったステップで走り抜いてくれた。

 アンコールには、グッズのTシャツを着て再登場。ILLIT印の夢のようなストリングスが映えるシンセポップ「Almond Chocolate」を届けたあと、日本初の単独コンサートがソールドアウト公演で実現したことの感謝をそれぞれ述べ、9月に『時よ止まれ』をリリースしたあとは「より日本で活動できると思います」と――特にMOKAが感極まった表情を見せていた。記念撮影を行ったあと、「I’ll Like You」、そしてステージを去り難そうな5人はGLLITの熱意に答えて「IYKYK (If You Know You Know)」をパフォームして、記念すべきコンサートを締めくくった。

 ピュアな女の子の夢を体現するようなILLITワールド。その魔法のような世界観は飾らない彼女たちのキャラクターと確かなパフォーマンス力、そしてGLLITとのあたたかな関係性でさらにスケールの大きな景色を作り出すポテンシャルを十二分に感じさせてくれるものだった。

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