ILLIT、満を持しての日本デビュー！　「時よ止まれ」と「Topping」――対照的な表現をモノにする解像度の高さ

　ILLITが、日本1stシングル『時よ止まれ』を9月3日にリリースする。その発売を記念したショーケースイベントが9月1日に開催された。

　昨年3月に1stミニアルバム『SUPER REAL ME』でデビューしたILLIT。年末には「Magnetic」で『第75回NHK紅白歌合戦』（NHK総合）に初出場するなど、すでに大きな注目を集めており、これが満を持しての日本デビューとなる。

　ILLITはアリーナツアー『2025 ILLIT GLITTER DAY IN JAPAN』を開催しているなかの本作りリースとなったが、ショーケースとしては今回が初めて。GLLIT（ファンの呼称）を前に、『時よ止まれ』収録曲のライブとトークを披露した。

　ステージにてパフォーマンスされたのは、「Topping」「時よ止まれ」の2曲。「Topping」は、初デートの日の少女の多様な感情と、恋愛中に感じる特別感を描いたポップソングで、「全方向美少女」などで知られる乃紫が作詞作曲を手がけている。MOKAが「振り付けがわかる方は、ぜひ一緒にやってください」とGLLITに呼びかけていたことからもわかる通りに、真似しやすく、かわいらしいダンスが印象的だ。

　そして、シングル表題曲の「時よ止まれ」は今回のショーケースで初披露となった。少女の煌めきや、儚さ、真夏の眩しい瞬間などをまとめて宝石箱に閉じ込めたようなディスコポップソングで、「凡人様」などで知られる紫 今が手がけている。「Topping」とは対照的に、メンバー5人の鮮やかなパフォーマンスに魅了されるステージとなった。

　「時よ止まれ」のMVは夏休み最終日でもある8月31日に公開され、まさに少女の“時よ止まれ”という思いを映像化した、どこか淡く、メルヘンチックな内容となっている。撮影は日本で行われ、IROHAは「学校や公園など青春を感じることができる場所で撮影をしていたので、たくさん観ていただけたら嬉しいなと思います」と話し、MINJUは「みんなで雨に降られながら遊ぶシーンを撮ると、青春映画のなかでしか感じられないような感情になりました。そして、学校で窓を開けて風に当たっていたのが本当に夢の中にいるような気分でした」と振り返った。

　初の日本単独公演『2025 ILLIT GLITTER DAY IN JAPAN』では、カバーステージなど、日本だけの演出が盛り込まれており、YUNAHはGLLITに会えた喜びから実際に涙がこぼれたと語る。大阪公演を前にしたこの日、WONHEEは大阪がグルメエリアだと知ると、たちまち前のめりに。「有名な食べもの」と言おうとするものの、「夢は全部」と聞こえるかわいらしい言い間違えで会場には笑いが起こり、WONHEEは全身でグリコの看板を形作る。

　今後の目標を聞かれYUNAHは「番組でグルメツアーをしてみたいです」と関係各所にアピール。右手の親指と小指を立てて“電話ポーズ”を作り、“連絡待ってます”とジェスチャーで伝えていた。続けて、IROHAは「ILLIT単独で、もっと大きなドームで公演をすることが目標です」と宣言。これに会場のGLLITから大きな歓声と拍手が送られた。

　また、トークパートのラストには、日本デビューを祝福するケーキとシングルジャケットでコラボレーションしているケアベアがサプライズ登場。メンバーはケアベアに駆け寄り、一人ひとりハグをしていく。あまりのかわいさにWONHEEが「私ももう一回お願いします」と懇願するも、ケアベアに思いは届かず。落ち込むWONHEEを、MOKAが優しく抱きしめていた。イベント開始時は緊張の色が見えた5人だったが、メンバーへのサプライズが行われると一気に緊張も解れた様子で、ステージを去るケアベアの尻尾に、イタズラにタッチするWONHEEとMOKAの姿も印象的だった。なお、会場にはフォトブースも展示され、ILLITメンバーカラーのケアベアや巨大パネル、グッズなどが並べられていた。

　韓国語の通訳中にすかさずGLLITに投げキッスを飛ばしファンサを始めるMINJUもさすがだったが、筆者が忘れられないのは「時よ止まれ」パフォーマンス中に外れたMOKAのバングルを終わりにYUNAHが拾い、そのままステージを後にしていったこと。IROHAは「またすぐに会おうね」とGLLITとの再会を誓い、WONHEEは「やっぱりGLIITが最高！」とサムズアップを決めた。ILLITとGLLITにとっては忘れられない、夏の終わりの一日になったはずだ。