SixTONESが証明し続ける確固たる実力 フェスでも“アイドルとしての矜持”を胸に闘い抜く6人のライブ力

SixTONES、フェスで証明した確固たる実力

「BOYZ」「バリア」「Stargaze」で“最新”表現を提示 『サマソニ』に刻んだ熱狂

 痺れたのが、2025年に入ってからリリースした「BOYZ」「バリア」「Stargaze」を畳み掛けた中盤の展開。世間的に知名度が高い曲は他にもあるが、きっと彼らの中に「自分たちの最新型の表現を提示したい」という意志があったのではないかと想像する。容赦なく会場をアジテートして震わせていくナンバーの中で、特に際立った存在感を放っていたのが、RADWIMPSの野田洋次郎が提供した最新曲「Stargaze」。果てしなく広がる星空を想起させる壮大なロックバラードだ。ZOZOマリンスタジアムという野外スタジアムのシチュエーションで、非常に鮮やかに映えわたっていた。この曲で歌われるのは、6人自身のこれまでの軌跡と、これから先の未来に向けた展望。言うまでもなく、そこにはメラメラとした野心が滲んでいる。それは、初出演の『SUMMER SONIC』の舞台を一つの通過点として、こっからさらにギアを上げて突き進んでいかんとする“闘志”とも言い換えられるかもしれない。〈夢に見てた先の景色〉をクリアにイメージできたような気がした。

SixTONES(© SUMMER SONIC All Copyrights Reserved.)
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 ラストの2曲は、すべてのパラメータを攻撃力に全振りしたかのようなハードなHIPHOPナンバー「ABARERO」と、SixTONESのライブにおいて毎度熱狂のピークを叩き出すEDMナンバー「WHIP THAT」。彼らのライブを初めて観た者は、その容赦のなさに圧倒されたはず。そして同時に、こうした攻めのナンバーはSixTONESにとっての変化球ではなく、むしろ王道であることに気づいたはずだ。自分たちの音楽を見せつけ、イメージを大きく覆し、深く魅了していく。そうした“闘い”に彼らはこの日も全力で臨み、そして見事に会場全体を鮮烈なバイブスで満たしてみせた。

 『CANNONBALL』を含め、今年の夏にフェスで初めてSixTONESのライブを観た人は、彼らの音楽はロックが好きなリスナー、およびロックを軸としたフェスと相性が抜群によいことに気づいたはず。『CANNONBALL』のマキシマム ザ ホルモンのステージで、彼らがサプライズで登場して「恋のバタリアン」(マキシマムザ亮君による提供曲)をコラボレーション披露したことも、とても象徴的なトピックだったと思う。

 きっと6人は、今年の夏もフェスのステージに立つ中で大きな手応えを得たはずで、そこで得た刺激や深めた自信は間違いなく今後の表現へとフィードバックされていくのだろう。彼らはこれからも挑戦者として次々と越境を繰り返しながら、自分たちの可能性を拡張させ、それを高らかに提示し続けていくはずだ。そして、オセロの石を一つずつひっくり返していくように、これからも自分たちの音楽に共鳴してくれる人たちを増やし続けていくはずだ。

 毎年のようにドームツアーを成功させるようになってもなお、彼らの“闘い”は終わらない。むしろ6人の“闘志”は、今ますます熱く燃えたぎっているように思う。次に彼らがどんな景色を見せてくれるのか、期待せずにはいられない。

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