My Hair is Badは相変わらず最高だ――18年目に鳴らす現在地、7年ぶりのホールツアーで示した“続ける”理由

その後も怒涛の勢いで楽曲を重ねていくマイヘア。椎木がスポットライトに照らされるなか「フロムナウオン」が始まっていく。「2025年、俺はまだこの船を漕いでる。いや、俺だけじゃない。全員がこの人生の船を漕いでる。この海の先にあるのが宝の島とは限らないが、俺はまだ船を漕いでる」――椎木は手にしたギターをオールにたとえて、「時間は経っていくが、あの日の気持ち忘れてない。俺らは一生、俺らの船に乗り続けるだろう」と歌った。その言葉は、そしてこの歌は、久しぶりのホールツアーで彼らが見せつけている姿そのものだった。続けること、続くこと。不変の思いと、だからこそ積み重なって形を変えていくもの。「愛そうよ、今まで乗ってきたこの船」。18年目のMy Hair is Badは、それまでの歴史をちゃんと背負って、今ここから、また航海を続けていこうと宣言しているのだ。

そんなこの日の「フロムナウオン」を経て、「戦争を知らない大人たち」から、ライブはクライマックスへと駆け上がっていく。一番新しいマイヘアである「愛着」の優しいメロディも、10年以上前の曲である「白熱灯、焼ける朝」の胸をかきむしるような心情も、ちゃんと同じように「今」の温度で届いてくる感じがする。その「白熱灯、焼ける朝」を終え、椎木は改めて「ありがとう」とオーディエンスに感謝を伝える。

「いつまでできるかわからないとか言ってるけど、まだまだ続けるんだ、どうせ。正直なことを言えば応援してほしいけど、ずっと目を離さないでいてとか言うつもりはない。離れちゃってもいいよ。でもいつか、お互い続けてたらもう1回会えたり、そういうのでいたいからさ。まだまだ頑張るね」
そう言うと、ライブはいよいよ最終盤へ。「優しさの行方」、「告白」、そして本編最後の曲「一母八花」までを、バンドは全力で駆け抜けた。
その後アンコールでステージに戻ってきた3人。バヤは「楽しかったです!」と笑顔を見せる。今回のツアーで、昔ライブハウスを回っていた頃にライブに来ていたお客さんと再会したエピソードを披露して「濃いツアーを回ってます。ありがとうございます」と言うと、割れんばかりの拍手が巻き起こった。「なんか、ホームって感じでできました。ありがとう」と椎木。そして「また会えますように」という願いとともに「真赤」、さらに「宿り」が届けられ、ライブは最高潮のまま終演を迎えたのだった。マイヘアにとっては長い長いツアーの1日。だがそこには、これまで彼らが刻んできたものがまざまざと浮かび上がっていた。やっぱりライブバンド My Hair is Badは相変わらず最高だ。


























