ROF-MAOにしか実現できない“神”ががったエンタメショー 4人の重なる歌声、息の合ったやりとりに酔いしれた夜

「去年の4月の大阪城ホールから2回目のワンマン。よりかっこよくなってない? 練習をたくさんしたし、みんなのおかげで、日々を楽しく過ごすことができて今日がある。ここまでアッと言う間だった」と、この1年を振り返った不破。「今までのライブでもやっていない、ステキな曲がまだまだいっぱいあるからやらせてもらいます」と、次に歌う「知っている手紙」を紹介。感謝の気持ちを込めた歌詞を、エモーショナルに歌い上げた4人。観客も一緒に歌いながら、ROF-MAOと歩んできたここまでの軌跡を振り返ったことだろう。そして本編のラストには、温かいバラードの「今日みたいに」を披露した。異なる個性を持ちながら、それぞれのスキルフルな歌声で歌い繫いでいく同曲。〈La la la〉と歌う会場の大合唱に、思いを乗せたフェイクを重ねた4人。歌い終え深くお辞儀をするROF-MAOに、会場からは温かい拍手が贈られた。


ボリューミーなアンコールには、彼らのサービス精神の旺盛さが表れた。彼らの公式YouTubeチャンネルの人気コーナー「木10!ろふまお塾」がセットリストを2曲選ぶことになり、甲斐田のソロ曲「古傷マーモット」と不破のソロ曲「哲学ニンゲン」に決まったことが発表され、それを歌うかどうかを甲斐田&不破組と加賀美&剣持組の対決で決めるという動画が流された。手押し相撲など3つの対決が行われ、甲斐田&不破組は全敗し、記念すべき2ndライブの日、Kアリーナ横浜という会場で、いわゆるネタソングを渋々歌うことに。


3人が小さい椅子に座って見守るなか、哀愁漂う魂の叫びを聴かせた甲斐田の「古傷マーモット」。曲中で銀テープが発射された、一瞬体が光って衣装が変わるかと思いきや変わらないなど、曲とは一切関係ない演出でイジられた。「もうやるしかない」と覚悟を決め、不破はミカン箱に乗って「哲学ニンゲン」を熱唱。終わったかと思いきや、ドラムが鳴ってまた始まるというお約束を何度か繰り返し、最後に“歌詞をアドリブで”との指示にアタフタする不破に会場からは笑いがあふれ、〈まぁ、でもいっかー!〉〈かんけいねぇー!〉という叫びを会場で合わせ、結果かなりの盛り上がりとなった。


椅子を片付けて「ろふまお塾」のコーナーは終了、アンコールはノリのいいロックチューン「I wanna! You wanna!」でスタート。〈Hey!〉〈Let’s Dance〉と掛け声を掛けながら、〈フッフー!〉と合いの手で盛り上がった会場。曲の途中で突然、加賀美、不破、甲斐田がYOASOBIの「アイドル」のカバーを繰り出し、昨年のエイプリルフールに公開した動画「【歌ってみた】アイドル covered by ROF-MAO without 剣持刀也」を再現。この展開に会場は驚きと興奮でどよめいたが、1番うろたえていたのは剣持で、「やめろー」「聞いてないよー!」と止めようとするが、3人はそれを一切無視してダンスも完璧に「アイドル」を歌い切って、ドッキリは大成功となった。再び「I wanna! You wanna!」に戻って曲を終えるも不満が収まらない剣持。告知タイムでビジョンに映る告知映像の前に割って入って邪魔をしようとするが、不意にセクシーポーズを取ってしまい自爆。ちなみにこの告知では、初の海外ロケ動画が8月下旬に公開されることが発表されてファンを喜ばせた。


ここで4人がそれぞれ思いをコメントした。「こんなに大きなステージに立たせていただいて、ありがとうございます」と感謝を述べた甲斐田は、「ROF-MAOは今年の10月に4周年で、思ったより長くやっているなという印象。でもまだまだやりたいことはいっぱいある」と話し、「また来いよな。もっとライブ観たいだろ?また次も絶対やろうな!」と3rdライブに期待を寄せた。不破は「濃すぎる1日でめっちゃ楽しかった」と話し、配信でも多くの人が観ていることに触れ「Kアリーナのこのでかさでも、まだ入れていない人がいる。チケットが取れなかった人が、たくさんいたと聞いた。でかい会場でやることに欲はないけど、もっとでかいところでやりたいと思った。まだまだ駆け抜けていくから応援よろしく」とコメント。


剣持はドッキリの動揺が収まらないなか、「まだ道中だけど世界にも行ったわけで、これからどうなっちゃの?」と、これからの展開に早くもワクワクした様子。「Kアリーナができたときは早く行ってみたいと思っていて、初めて来たのが演者としてだった」と、自身が神奈川県民としての感慨も語り、「まだ先を楽しみたい。次回があるか分かりませんが、次回のROF-MAOをお楽しみに」とコメント。そして最後に加賀美は、「普通に考えて3年で大阪城ホール、4年でKアリーナってすごくない? そんなスケジュールを組める配信者のグループは存在しなかった。そのとんでもないステージに、当たり前じゃないと思っている4人が立っていることが嬉しい」とコメント。「Limitless」というタイトルに触れ「正直、向こう見ずで強気な、口にするのに勇気がいるタイトルだと思った。でもみんなが限界を取り払ってくれた。よろしければこれからも、この奇跡の続きを、限界の先を、我々と一緒に過ごしていただければ嬉しいです。本当にありがとうございました」。彼らの飾らない心からの言葉に、会場からは大歓声と拍手が贈られた。



そしてアンコールの最後には「この曲が街で流れているのを聴いたとき、本気でROF-MAOの歌を、もっと日本国中や世界に響かせたいと思った」(加賀美)と紹介して「フルカウント」を披露した。〈限界はとうに超えてるんだろ〉という歌詞が、まさしく「Limitless」を締めくくるにはぴったり。壮大なスケールのサウンドに乗せて、力強く前向きな歌声を聴かせた4人。曲の最後はアカペラで、ハーモニーを交えながら歌い繫いでライブを締めくくった。

しかし、ここでライブは終わらなかった。終演のアナウンスを加賀美が担当し、規制退場などが告げられるなか、「ブレスレットライトをお好みの色に付け、バンドメンバーの皆さんはステージに戻ってください」と流れる。観客が「え!?」と動きを止めアナウンスに耳を傾けていると、「もう1曲やっていいですか!」との声。これには絶叫とともに大歓声で沸いた会場。最後にボーナスで披露したのは、この季節にもぴったりの夏ソング「DiVE IN」。勢いよく〈かかってこいよ〉と腕を振り上げる4人に、会場からは掛け声が上がり、一緒に歌って振り付けを踊った。最後は拳を掲げて仁王立ちし、「3rd(ライブ)だって4thだって5thだってやってやる!」と言って、会場全体でジャンプした。

やり切った様子で、笑顔に達成感をみなぎらせた4人は、口々に「最高だった」などコメント。神セトリ、神構成、神MC。歌にダンスに笑いに、ROF-MAOのエンターテインメント性あふれる魅力が詰まったステージに、観客も息を切らせながら大満足の様子で最後の最後まで声を絞り切った。

























