Number_iにとって“ツアー”はどんな意味を持つのか? 舞台の裏側でメンバーが見せた成長と更新の姿を観て

なかでも印象的だったのが、各メンバーのソロステージの準備風景だ。「透明になりたい」を歌う平野は、観客がより曲の世界観に入り込めるようにと、マイクスタンドの向きや自身へのライトの当て方を考え抜いていく。「Bye 24/7」を歌う神宮寺は、今回のツアーの象徴とも言える水の演出を取り入れながらも、ほかの曲とはまた違った魅せ方を探っていく。「Recipe」を歌う岸は、ルーパーと複数の楽器を使用することから、本番で最善のアンサンブルを届けられるように何度も微調整を重ねていく。そもそも、自分のソロ楽曲をNumber_iとしてステージで、しかしひとりで届けること自体が、3人にとって初の試みだ。それぞれが時間をかけて、悩みながらソロステージを完成させたことが、映像を通して感じられた。
「一年の集大成」と書いたが、『THE_i -what is Number_i-』での準備期間の様子を踏まえると、このツアーは彼らにとってひとつの挑戦でもあったのだろうと思う。自分たちの手でイチから作り上げ、新たな試みも織り交ぜられた、Number_iとして初めての全国ツアー。思えば、Number_iは常に独自の道を開拓しながら進化し続けてきたグループだ。その過程で、またひとつ更新した姿を見せるための、あるいはこれからも成長し続けることを示すためのツアーだったのかもしれない。
Number_iが次に何を見せてくれるのか期待できるのも、彼らが恐れず挑戦し続けているからこそだ。“裏側”も知った今、そんなことを感じながら、彼らが作り上げた『Number_i LIVE TOUR 2024 No.I』を再び観たい。

























