乃紫やtuki.に続くTikTokで話題の17歳シンガーソングライター あみゅり、若年層を中心に共感を呼ぶ新たな才能

音楽は近年、さまざまなことに悩みを持つ若者世代にとって、心の救いや拠り所としての意味合いを増している。そういった10代の心の中にある影、悲しみ、怒りなどが混ざり合った音楽性で、若年層を中心に昨今注目を集めているのが、あみゅりだ。
あみゅりは、17歳の若さで作詞作曲編曲まで自ら手がけるシンガーソングライター。名前の由来はお守り/魔除けを意味する「アミュレット」から来ている。2024年よりTikTokでオリジナル楽曲の配信をスタートすると、徐々に存在を広め、オリジナル楽曲はTikTok総再生回数300万回を超える快挙を遂げている。思わずスクロールの手を止めて見入ってしまうようなディープな歌唱力や耳に残る曲調、ネオンライトがキャッチーな作曲動画など、10代ならではの感性が詰まった音楽性・芸術性を持つアーティストだ。
彼女の存在が世に注目されるきっかけとなったのは、TikTokに投稿されるや否や短期間で約100万回再生を突破する大反響を呼んだデビュー配信シングル「花いちもんめ」。動画を辿ってみると、筆者も「花いちもんめ」の100万回再生を記念して4月に公開されたフル尺動画を視聴したことがあり、初めて彼女の歌声を聴いた時「また新たな才能が出てきた……」と息を呑んだことを思い出した。
@princess_amyuri 実はフルバージョン作りました。#オリジナル曲 #高校生 #作詞作曲 #おすすめにのりたい
「花いちもんめ」は、あみゅりが大好きだと公言するケンドリック・ラマーのマスタリングを手がけたマイク・ボッツィをマスタリングエンジニアに迎え、「夢が一つ叶った」と喜ぶ作品でもある。琴(和)とバイオリン(洋)を組み合わせた和音階のサウンドとHIPHOPのビートが非常に相性良く共存し、現代社会に若者や女性の視点から疑問を投げかけていくように棘を含んだ歌詞が、あみゅりのアイデンティティを感じさせる。〈ギャザー,mbti, 骨格にイエベ/いちいちコンプレックスに病名つけるなよ〉〈正解を定めるインフルエンサー/みんな同じ顔してるよteens〉と今の時代への反骨心を歌う歌詞が多くの若者の共感を呼ぶ一方で、低音が効いたその歌声には芯があり、TikTokのコメント欄では「ちゃんみなやAdoのような雰囲気を感じる」と大盛り上がり。声だけ聴けばある意味年齢不詳にも思える大人っぽさを兼ね備えているのも、あみゅりの魅力だと思う。
あみゅりは本楽曲について、「私の自己紹介のような曲。そして絶対にやってやるんだという決意表明でもある」とコメント。SNSが発展し、簡単に他人の情報を得られる現代においては、人と比較して落ち込んだり、コンプレックスを否定するような言葉が飛び交ったりと、“おかしいはず”のことが恒常化している。「花いちもんめ」はそうした“おかしい世間”に対する不平不満を撒き散らした曲だという。実際、楽曲を聴いてみるとまず印象的だったのが、何度か登場する〈私かわいー〉というパート。あみゅり曰く、これは前述した“おかしい世間”に最大限の皮肉を込めた言葉だそうだ。






















