RUIが抱く責任感、参加者が胸に秘める感謝……仲間への想いが紡ぐドラマ 『THE LAST PIECE』3次審査幕開け

 2チーム目は、COTA、KEI、ISANA、A.J.、SHO。課題曲は、PSYCHIC FEVERの「Just Like Dat feat. JP THE WAVY」。曲の大半がラップで構成されているため、各々の表現力が試されるなか、A.J.は初挑戦のラップに苦戦。これまで何度もオーディションのためにマレーシアから来日してきた彼は、「マレーシアでエンタメの第一人者になりたい」という壮大な夢を胸に抱き、懸命に挑むのだった。

 一方、ストイックでダンスセンスが際立つISANAは、メンバーからも一目置かれる存在。しかし、BMSG TRAINEE合宿での脱落経験から自己評価が低く、「自分に対する自信が足りない」とカメラの前で語る。そんなISANAだが、仲間を気遣う優しさが光る一面も。KEIがSKY-HIに個別指導を受ける様子を録画し、後から見返せるように本人に渡したのだ。そして「『(チームメンバーも)ライバルではある』とトレーナーの方に言われたけど、与えられているうえで自分も成長したら自分にもプラスになる」と語った。

「【THE LAST PIECE 本編】Ep.02 / Bloom of Youth」より

 積極的に意見を交わしながらブラッシュアップしていくメンバー。中間発表では、一体感のあるパフォーマンスでSKY-HIを唸らせるも、喉の不調で実力を出し切れなかったCOTAがひとり肩を落とす。オーディションの重圧も加わり、徐々に追い詰められていくCOTA。彼を救ったのは、SHOだった。COTAの思いを受け止めつつ、「悩みをどんどん見つけて解消していって、何も考えずにパフォーマンスできるところに持っていこう。そしたら楽しめる」と建設的な提案をしてチームを引っ張る。ボーカルのバイブスをどう高めていいかわからず不安げなISANAにも、SHOが歌い方をアドバイス。KEIは「褒められても(自分の歌に)納得いってないとかもあると思うけど、素直に受け止めて自信を持ったほうがいい」、A.J.は「もしちょっと変だと思ったら言うから。そのためのグループだから」と励ました。

「【THE LAST PIECE 本編】Ep.02 / Bloom of Youth」より

 そんな互いを思い合う心がチームワークのよさへ繋がっていくなか、ついに審査本番へ。リーダーシップを発揮していたSHOは余裕すら感じさせる安定感のあるダンスと歌を届け、A.J.は苦戦していたラップを芯のある声でパワフルに刻む。ISANAはカリスマ性のあるダンスと透明感のある声で会場を魅了し、KEIは普段の優しい雰囲気から一変してアグレッシブな表情を見せる。そして直前に不安で涙を浮かべていたCOTAも、魂のこもったラップで審査会場を盛り上げた。完璧にバイブスが揃った5人のステージを、SKY-HIは「世界中を踊りたくさせるパフォーマンス」と高評価。ずっと不安を抱えていたISANAも「真面目な部分とバイブスをしっかり持ったメンバーのおかげでパフォーマンスできた」と振り返り、「アイスやドーナツの差し入れも嬉しかった。自分は絶対ここで合格したいと思いました」と等身大の言葉で強い決意を露わにした。

 3チーム目のメンバーは、RYOTO、REO、RUI、KEITO、HAL。課題曲はm-floの「come again」。グループ発表後、SKY-HIはRUIに歩み寄り、「(RUIがいちばん)先輩だね」と声をかける。『THE FIRST』参加時は最年少の13歳だったRUIが、このチームでは最年長なのだ。自分より年下の4人を見て、「最年長ってこんな背負うものがあるんだ」と、これまでのオーディションでリーダー役を担ってきた先輩に対する感謝をあらためて言葉にする。

「【THE LAST PIECE 本編】Ep.02 / Bloom of Youth」より

 自分の性格がリーダータイプではないと自覚しながらも、この合宿で変わる決意をしたRUI。しかし、このチームのメンバーは全員が人見知りということもあり、なかなかメンバー同士の距離が縮まらない。なかでもRYOTOは常に伏し目がちで、パフォーマンス中もメンバーとアイコンタクトが取れず、SKY-HIやトレーナーとも目を合わせられない状態に。RUIは最年長としてなんとかチームを盛り上げようと奮闘するが、思うようにいかない。そんなギクシャクした雰囲気も影響してか、中間発表では振り付けミスや歌詞忘れを連発。RUIは不甲斐なさと悔しさのあまり歯を食いしばり、REOは責任を感じて泣き出してしまう。「ごめんなさい」と謝るREOに、「大丈夫。謝るな」と優しく声をかけながら肩を抱き寄せるKEITO。RUIも「中間発表なんだからこんなもんだって」と慰めながらも、その目からは静かに涙が零れ落ちる。グループを引っ張る役割だからこそ、5人分のプレッシャーと不安がのしかかっていたようだ。

「【THE LAST PIECE 本編】Ep.02 / Bloom of Youth」より

 ボロボロになったメンバーは、気分転換のために屋上へ。雲一つない青空は清々しかったが、ここでもRUIとHALが涙。それを見たSKY-HIは、「よかったな、中間発表で泣けて。本番で泣きたくないだろう」と慰めつつ、「2日後(3次審査当日)にRUIが全部正解にして返してくれると思っているから」とRUIに発破をかける。RUIはタオルを顔に押し付けながらも、大きく頷いた。ひとしきり泣き終えたRUIが、「今って練習時間だよね。ちくしょう。こんなことやってる場合じゃない」と切り替え、練習再開。そこへ「Move On」チームのメンバーが見学にやってきた。TAIKIはラップの調子が悪そうなREOに声をかけ、別チームにもかかわらず「一緒にやろう」と指導を買って出る。チームの垣根を越えてのレッスンが始まった。TAIKIは、他チームのライバルにもかかわらず、基礎から熱心に指導。その甲斐あってREOのラップはかなり上達し、メンバーにも笑顔が増えていく。HALが「泣いてるところ(が放送されるの)、ヤダっすわ」と言ってみんなを笑わせたり、なかなか心を開けなかったRYOTOがKEITOと一緒に課題曲とは関係ない曲を熱唱したりと、チームの雰囲気は徐々に明るくなっていった。

「【THE LAST PIECE 本編】Ep.02 / Bloom of Youth」より

 そして迎えた審査本番。RUIは最年長らしい貫禄とセクシーさを携えた表現でチームを牽引し、HALは躍動感あふれるダンスと伸びやかな歌声を披露。本番直前にプレッシャーから涙していたKEITOも覚悟を感じさせる魂のパフォーマンスを届け、REOは練習を積み重ねたラップでエネルギッシュにビートに乗る。そして、RYOTOがメンバーとアイコンタクトを交わし、楽しそうに笑い合っていた。さまざまな障壁を乗り越えて作り上げたパフォーマンスに、SKY-HIは「素晴らしかったです。中間発表からよくここまでいったね。全員、自分から輝きに行っているのがすごく印象的でした」と、この舞台で自分を表現し切った彼らを賞賛。RUIは「最初は不安が大きかったけど、最後になるにつれて心を開いてくれて、頑張ってよかった。この5人でやれてよかったなと思います」とメンバーにも改めて感謝の気持ちを述べた。

 時に悩み、涙を流しながらも、仲間とともに成長を遂げた3チーム。それぞれが己の弱さと向き合い、誰かの支えになりながら、本気で夢に挑む姿は多くの視聴者に感動を届けた。次回は、残る3チームの3次審査に密着するという。果たしてどんなドラマが待ち受けているのか。夢に向かう彼らの挑戦から、ますます目が離せない。

【THE LAST PIECE 本編】Ep.02 / Bloom of Youth

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