TOMORROW X TOGETHERが注ぐ想いの深さ「またすぐに戻ってきます」 愛に満ちた日本アリーナツアーを観て

TXT『<ACT:PROMISE>-EP.2』日本公演レポ

 VCRのYEONJUNが口角を上げたら、それは彼のステージが始まる前ぶれ。「Everybody, stand up!」とシャウトし、隙のないパフォーマンスを見せつけたソロ曲「GGUM」では、音をひとつも取りこぼすまいとステージを駆け回り、文字通り割れんばかりの歓声を浴びながらステージをあとにした。息をつく暇もなくメインステージではHUENINGKAIの奏でるドラムセットが激しく音を鳴らす。スティックを放り投げて髪をかき上げた直後、再び5人が揃い、ロックナンバー「Good Boy Gone Bad (Japanese Ver.)」で場内の熱気を完全に掌握する。

TOMORROW X TOGETHER (P)&(C) BIGHIT MUSIC
HUENINGKAI

 「Growing Pain」ではYEONJUNが頭から水を浴びたり、BEOMGYUやHUENINGKAIがバットをバトンのように受け渡しながら花道を練り歩いたりと、ダークヒーローのようなかっこよさが炸裂。ノイズの入ったモニターの文字や勢いよく放り投げられたギターすらも輝きを引き立てる。観客を背にした5人は、右手を高く掲げて舞台をあとにした。

 MCでは、HUENINGKAIが「東京が(日本公演の)最後ということで特別なバージョンで準備をしてみました」「ドラムに水を撒いておいたらかっこよくなるんじゃないかと思ったら、やっぱりかっこよかった」「ただ、想像以上にバスドラムのペダルが滑ります(笑)」とドラムの演奏を振り返る。BEOMGYUは「Danger」について、「僕は本当にこの曲が好きなんです。世界中のMOAにお見せできて嬉しいです」「でも、明日で最後です。さようなら、『Danger』!」と名残惜しい様子だった。そんな本編を締めくくったのは、ハウスのビートが心地好く揺れる「I’ll See You There Tomorrow」。最後に小指を固く結んだ5人は、「It’s a promise」(YEONJUN)と言葉を残し、差し込む光に迎え入れられるようにして去っていった。

TOMORROW X TOGETHER (P)&(C) BIGHIT MUSIC

 『PROMISE』の文字が浮かんだモニターが左右に開き、揃いのパーカーに身を包んで再び登場した5人。まるで絵画のなかにいるような森のセットに囲まれて歌う「Magic Island」や「Heaven」に、MOAも自然と身を委ねて聴き入っていた。

 SOOBINは「Heaven」について「僕のいちばん好きな曲を歌えて幸せ」と微笑んだのち、「東京でツアーをしっかりと締め括れそうで、本当にいい気分です」「暑くて皆さんも大変だったと思いますが、公演を一生懸命応援してくださってありがとうございます」と語る。最後には「みんなのおかげです。大好き!」と日本語で伝え、ハートマークを作った。HUENINGKAIは「MOAの皆さんが熱烈に応援してくださる姿を見て、ベストを尽くすことができたと思います」「MOAの皆さん、本当にかわいかったです」と話し、同様に「いつもありがとうございます。愛してる、MOA!」と日本語で感謝と愛を伝えてくれた。

 BEOMGYUは「紆余曲折あったけど、メンバーと一緒に成長できたツアーになった」と振り返り、「9カ月くらい前の『また会いましょう』という約束を守ってくださってありがとうございます」と言葉を紡ぐ。YEONJUNはライブビューイングのMOAにも感謝を伝え、「またすぐに戻ってきますので待っていてほしいなと思います!」と期待を込めると、「大好きです」と日本語で愛を届けた。自身のキャラクター・DA-GO-NYANGのキーホルダーをネックレスにさげたTAEHYUNは、「僕たちはすぐに日本アルバムのレコーディングに入る予定です!」「今回約束を守ってくれたように、次もまた会いにきてくれますよね?」と再び約束を掲げる。

 そして、「MOAへの感謝の気持ちなら、一年ずっとかけても語り切れないけど、今日は僕たちが先に準備してきました」と、メンバーが用意したスローガンを順に読み上げ始めた。「はじめて会った日の約束のように」(TAEHYUN)、「TXTがぎゅっと抱きしめてあげる!」(YEONJUN)、「MOAにもぎゅっと抱きしめて!」(BEOMGYU)、「これまでみたいに」(HUENINGKAI)、「いつも一緒にいようね!」(SOOBIN)――。特別なメッセージを伝え、MOAの「愛してる!」の声に「僕たちももっと愛してる!」と笑顔で返す光景は、想い合う絆の深さの象徴だ。

TOMORROW X TOGETHER (P)&(C) BIGHIT MUSIC

 日替わりアンコール1曲目の「Miracle」では、「Everybody, jump!」の声で金色のテープが飛び出し、華やかに舞台を飾る。しかし、これだけで物足りるはずもなく、手を振りながら観客に「ありがとう」と伝えて歩く間も「アンコール」の声は大きくなるばかり。それを受けてHUENINGKAIが「大事にとっておいた曲です。MOAちゃんの声で聴きたいです。歌ってください!」と誘い、会場全体で「永遠に光れ (Everlasting Shine)」を熱唱する。さらに、HUENINGKAIがMOAの気持ちを汲み取るように「アンコール、一曲じゃ寂しいよね?」「テンションを変えていくよ!」と勢いづけ、「No Rules」を歌い切る。しかし、なお「アンコール」の声は止まない。これには、「ジャンプしてくれる姿を見たら、やらないわけにはいかないな」「MOAが好きな曲、いきますよ!」とYEONJUNもやる気満々。虹色のライトが照らすなか、最後に用意されていたのは「MOA Diary (Dubaddu Wari Wari) (Japanese Ver.)」。向かい合って飛び跳ねながらセンターステージまで移動してきたSOOBINとBEOMGYUの姿が微笑ましい。

 幾度にもわたったアンコールを終え、SOOBINは「今日は今までのアンコールのなかでも、いちばん楽しかったです!」と締めくくり、「以上、TOMORROW X TOGETHERでした!」と挨拶。愛に満ちた日本ツアー東京公演初日はこうして幕を閉じた。

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