TOMORROW X TOGETHERが注ぐ想いの深さ「またすぐに戻ってきます」 愛に満ちた日本アリーナツアーを観て

TXT『<ACT:PROMISE>-EP.2』日本公演レポ

 TOMORROW X TOGETHERが3月12日から5月25日にかけて、全国6都市12公演をまわった日本アリーナツアー『TOMORROW X TOGETHER WORLD TOUR<ACT:PROMISE>-EP.2 - IN JAPAN』。オーラスを控えた5月24日の東京・有明アリーナ公演は、梅雨前の曇天を吹き飛ばすような高揚感に満ちていた。

 白馬に乗ったSOOBINを筆頭に、貴公子のような装いの5人が映し出されるオープニング。ステージの幕が上がると、大きく浮かぶ満月の下、右腕にストーンが施されたスーツ姿で足を進め、華やかな花吹雪に包まれながら「Over The Moon」で公演に息を吹き込んだ。瞬間、強烈なドラムスの音をトリガーに真っ赤な照明が場面を切り替え、「Deja Vu (Japanese Ver.)」で激しく炎が吹き上がった。間髪入れず青いライトが会場を染めるのは「0X1=LOVESONG (I Know I Love You)」。五角形のセンターステージをフルに使って目まぐるしくフォーメーションを変え、舞い踊る5人の動きをあらゆる角度から堪能できる演出が新鮮だ。

TOMORROW X TOGETHER (P)&(C) BIGHIT MUSIC

 ダークな曲調に憑依するように表情が一変した「Devil by the Window」では、ラストの吐息に合わせて光が絞られる演出も見事だった。直後、和太鼓のような激しい打撃音が会場に響き渡り、モニターが墨汁で描かれたようなアートに染め上げられる。韓服風の衣装をまとったBEOMGYUが妖艶な視線で舞いを披露するその姿は、まるで伝統音楽の舞台のような美しさ。「Sugar Rush Ride (Japanese Ver.)」では、弦と太鼓のオリエンタルな音色が際立つ特別なアレンジでこれまでとは違った表情を見せる。ラストのサビで五角形のステージが高くせり上がると、続く「Farewell, Neverland」のギターの音で観客をさらなる異世界へ引き込む。オレンジのライトに照らされるなか、ステージにひらひらと舞い落ちる黄金色の紙吹雪さえも、ドラマのようなワンシーンとしてそこに意味を持たせていた。

TOMORROW X TOGETHER BEOMGYU(P)&(C) BIGHIT MUSIC
BEOMGYU

 TAEHYUNのソプラノが静寂を切り裂いた瞬間、東京では初めて「Resist (Not Gonna Run Away)」を披露した揃いのスタジャン姿の5人。同曲についてHUENINGKAIに感想を問われたTAEHYUNは、「初めて見た時、歌もダンスもかっこいいけど難しいだろうなと思った」「MOA(ファンの呼称)が気に入ってくれてよかった」と笑顔を見せた。さらに、メンバーは最近韓国の大学の学園祭に出演したことに触れ、「日本の学園祭にも人気のアーティストを呼んだりしますか?」「僕たちも呼んでくれたら素敵なパフォーマンスを披露します」とやる気満々だ。SOOBINは昨年のドーム公演を振り返り、「こうやって近くで(姿を)見られるアリーナツアーもいいけれど、もっともっと大きな会場でお会いしたいなと思いました」と胸中を告白する。

TOMORROW X TOGETHER (P)&(C) BIGHIT MUSIC
YEONJUN

 シンプルなTシャツとデニムジーンズが爽やかな衣装にチェンジしたのち、「MOA、遊ぼうぜー!」(YEONJUN)との声を引き金にして響く汽笛は「New Rules」の合図だ。あたたかなバンドサウンドをそのまま「LO$ER=LO♡ER」に引き継ぎ、明るい光が照らすなか、5人はスタンドマイクでロックナンバーを歌い上げた。刹那、モニターに映るのは空へと続く線路。それを背景に奏でた「Higher Than Heaven」、「Thursday’s Child Has Far To Go」では、ヘドバンやハンズアップが音楽をさらに盛り上げ、ひとつになった会場に銀テープが降り注いだ。すると、予想だにしないこのタイミングで、『めざましどようび』(フジテレビ系)のテーマソング「Step by Step」を1コーラス披露。サプライズ上手なメンバーたちは「名曲ですねえ」「たくさん聴いてください!」とMOAを喜ばせた。

TOMORROW X TOGETHER (P)&(C) BIGHIT MUSIC
TAEHYUN

 中盤を彩るのは、柔らかなボーカルナンバー。彼らの楽曲のなかでも愛され続ける日本語曲の代名詞「君じゃない誰かの愛し方 (Ring)」ではTAEHYUNのまっすぐな歌声が会場を包み込み、「Quarter Life」ではBEOMGYU、TAEHYUN、HUENINGKAIの歌声に大きな歓声と鳴り止まない拍手が送られた。 

 SOOBINとYEONJUNのユニット曲「The Killa (I Belong to You)」は、ふたりが絡み合うように躍動する魅惑の楽曲。直後の「Tinnitus (Wanna be a rock)」では、5人全員で妖艶なサウンドで魅了する。そこからTAEHYUNのソロダンスに釘付けにしたのち、再びダークなサウンドを鳴らすのは「Danger」。ANITTAとのコラボ曲「Back for More」では、目まぐるしくセンターが移り変わり、思わず身体が揺れるEDMが鮮やかにステージを飾った。

TOMORROW X TOGETHER (P)&(C) BIGHIT MUSIC
SOOBIN

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