香取慎吾が萩本欽一を連れて帰ってきた『仮装大賞』 面白さと優しさ、トニセン参戦……放送に寄せて

 なんだか、そんな欽ちゃんに香取も年々似てきたように思う。昨年12月、香取は自身初のアリーナフェス『“Circus Funk” Festival』を開催した。ベテランから新進気鋭な若き才能まで、さまざまなアーティストとコラボした香取は、それぞれの個性を引き出しながらステージを作り上げていく。

 なかでも、5人組バンドのKroiが「花道を歩きたかった」という言葉に「よし、じゃあ行こう」と、ともに花道を練り歩いてみせるぶっつけ本番感も欽ちゃんらしさを感じた瞬間。さらに、在日ファンクとコラボした楽曲名の「カツカレー」を引き出すコントのようなやりとりにも笑ってしまった。

 香取が「今、何食べたい?」という振りに、ゲストアーティストたちが思い思いに答え、最後にKroiの内田怜央(Vo/Gt)がオチを言う流れが出来上がっていく。しかし、バラエティ慣れしていない内田は「分厚いローストビーフ」と本当に食べたいものを話してしまったり、空気を読みすぎて「カツカレー」と先走ってしまったり……「難しい〜!」と大混乱。

 そんな内田に対してイチから笑いを教えるように「(今のタイミングは)一個早いなあ」「正解でもいいなと思ったんだけど、一個早かったから、今のTAKEもう一回!」「もう一個なんか言って、『違うよ、だからみんなに聞こうか、せーの、カツカレー!』ってやるの!」と愛あるダメ出し風のやりとりで会場の笑いを誘っていたのだ。

 きっと私たちが「欽ちゃん」「慎吾ちゃん」と呼びたくなるのは芸歴や年齢などを感じさせない素直なやりとりが許される“優しさ”があると感じられるから。そして、家族みんなで安心しつつもドキドキしながら『仮装大賞』を観ることができるのは、そんな優しさが漂う笑いが昭和、平成、令和と時代が移り変わっても、変わらず私たちの心を温かくしてくれるからかもしれない。

 今夜の『仮装大賞』には、「トニセン」こと20th Centuryの坂本昌行、長野博、井ノ原快彦も予選を勝ち抜いて出演するというから楽しみだ。彼らがパーソナリティを務めるラジオ『S.I.N NEXT GENERATION』(JFN)も先日1500回を超えた長寿番組。リスナーとの電話を積極的に繋いでいくなど、視聴者が主役感をになっているところも、『仮装大賞』との相性の良さを感じさせる。

 先の特番で、欽ちゃんは「新しいことには成功例がない。だから新しいことをやったらすべて成功」という言葉も残していた。新しい地図を広げ続ける香取、そしてこのタイミングで新たに『仮装大賞』にチャレンジしたトニセン、さらに年齢の壁を飛び越えて新しいテレビを模索していこうと決めた欽ちゃん。今夜は、彼らの優しくて面白いエンタメが末永く続くことを願うひとときになりそうだ。

※1:https://hochi.news/articles/20240209-OHT1T51214.html

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