imaseのすべてを見せた今の最高地点　『Shiki-Sai』ツアーで見せた進化の過程とファンとの繋がり

　その後BOBOと林も加わっての「でもね、たまには」でアコースティックコーナーを終えると、imaseがステップを踏みながらのびやかに歌う「エトセトラ」からライブは後半戦へ入っていく。ノイジーな爆音が鳴り響き、スリリングな「Dried Flower」を繰り出すと、バンドによる熱いセッションから「Shine Out」へ。EDM調のサウンドが生み出す高揚感が会場をブライトに染め上げていく。「踊ろうぜ、東京！」――自身も笑顔で飛び跳ねながらオーディエンスをさらなる興奮へと誘うimase。そんな彼の「まだまだいけるよな！」という言葉とともに、一気にライブはクライマックスへと駆け上っていった。「ヒロイン」では客席中でタオルが回り、imaseもステージ中を歩き回りながらパフォーマンス。最後には持っていたタオルを客席に投げ入れると「最高だね！　でも、まだまだ踊り足りないんじゃない？」と雄叫びを上げ、ポップな映像とともに「Happy Order?」へと入っていった。

　レパートリーのなかでも一際キャッチーでフレンドリーなこの曲をソウルフルなグルーヴと最高の一体感（コール＆レスポンスも成功！）のもと披露すると、imaseは「あと数曲なんです」と名残惜しそうに口にする。フェスやイベントに出演した時にimaseのグッズを掲げてくれたり、一緒に歌ってくれたりしているオーディエンスに勇気づけられる、とファンへの感謝を伝え、「そんなみなさんに届けたい曲があります」と歌い始めたのは「アウトライン」だった。美しい照明とともに、ビッグスケールのコーラスが力強く鳴り響く。imaseが客席にマイクを向け「もっと、もっと！」と要求すると、客席からの声は一段と大きくなり、それに応えるようにBOBOの叩くドラムもどんどんそのパワーを増していく。そのままみんなで手拍子をしながら「ユートピア」。ライブも終盤だが、オーディエンスの後押しに力を得たように、imaseのハイトーンはますます冴え渡っていく。そして「最高だったぜ、東京！」と「BONSAI」へ。ステージの頭上にあったボードが配置を変えると、「IMASE」の文字が浮かび上がった。こんな仕掛けがあったとは。

　曲中にメンバー紹介も挟みつつ、ロングトーンを響かせ、一体感が最高潮に達するなか、ライブ本編は終了。しかし、もちろんライブは終わらない。オーディエンスによる「imase」コールのなか始まったアンコールでは、「プリズム」に続いてなとりとのコラボ楽曲「メトロシティ」もimaseバージョンで披露。最後まで会場中を巻き込み、自分自身ものびのびと楽しみながら楽曲を届け続けたimaseなのだった。

　なお、このアンコール中には来年4月から6月にかけて再びホールツアーを開催すること、そしてファンクラブ「IMAZINE」を開設したことを告知。この日のライブでも何度となく具現化していたファンとの繋がりをさらにたしかなものにしながら、imaseは進化し続けていく。